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猫の目力

職場の駐輪場に現れる野良猫がいる。
白黒、白茶、茶、白と色んな子がやってくる。
陽が高くなり、暖かくなってくるころ駐輪場に行くと、どこからともなく感じる気配。
その先には、野良猫。
うずくまり、ジッとこちらを見つめてくる。
ポカポカと陽のあたる温かい所にいるのに視線は鋭い。
ふうん…今日は白猫か。
負けじと私も猫の目をジッと見つめ返す。

世の中には色々な動物がいるけれど、猫の目というのはなんというか特別な力があるんじゃないかと思う。
特に子猫の“青い目”ったら宝石みたいで
“わぁ、君、きれいな目してるねぇ”
って思わず声がもれてしまう。
ん〜なんだろう?とにかく目が離せなくなる何かがあることだけは確かだ。
だから、散歩中に野良猫を見つけると必ず目を合わす。
というか、十中八九、向こうから視線を向けてくる。
やっばり目力強め。
でも、あの挑むような目が好きだったりする。
家猫にはないあの目。

今、向かい合っている白猫も同じだ。
視線を交えること数分。
ふっ。と白猫が目線を外した。
そして、何事も無かったかのように目を閉じて日向ぼっこをし始めた。
“コイツ大したことないな。相手にするまでもないや”
とでも言いたげな態度だ。

あ〜あ。今日も私の負けかぁ。
一生勝てる気はしないけど、相手にしてくれるのなら勝負し続けるんだろうなぁ。
だって、やっぱり猫の目から目が離せない。
猫の目力、恐るべし。

#猫 #野良猫 #目力 #エッセイ


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