第63話 エイトウーマン写真展2023⑤〜鷲尾めい、凪ひかる、女神ジュンとたくさん話してみた〜
4日目
本日の在廊は豪華3人。『鷲尾めいさん』『凪ひかるさん』『女神ジュンさん』。去年の写真展であまり話せなかっためいさんとひかるさん。今年初めて会うジュンさん。
”今日は女優さんと話そう”
そう心に決めていた。
女王様な凪ひかるがかっこいい
まず最初に会ったのが『凪ひかるさん』。去年もそうだったが、彼女を前にするとどうも緊張してしまう。
「なんでそんな緊張してるの。こっちまで緊張する」
ひかるさんには早速見抜かれた。でもそうだなと反省した。相手は自分の鏡。いっそタメ口でいったれ!
そう意気込んでもすっぱりタメ口でいけないのが私の性格である。タメ口と敬語が混ぜ混ぜになった、なんとも情けない喋り口調になってしまった。しかしそれでもひかるさんと色々話すことができた。
「ひかるさんは本当にクレオパトラみたいやから、正直、性格も女王様みたいなのかと思ったけど、全然そんなことないですね」
「そうだよ。でもよく言われる」
「ひかるさんは自分が自己肯定感低いって思う?」
「低いよ。でも高いふりしてる。自信もないけど、あるふりしてる。というか調子乗ってるのかな」
ひかるさんはそう言って、高貴な顔でうふふと笑っていた。
全く女王様のような性格ではない、むしろ話しやすい人だと思ったけれど、やはりひかるさんには女王様らしい態度が似合う。
西田さんと写真を見て回っている時、彼女はよく腕組みをした。その立ち姿が最高に似合うのだ。胸を張って、手のひらで肘あたりを握る組み方だ。写真で彼女の迫力が伝わるだろうか。
ひかるさんが最高に女王様だった場面があった。
マネージャーの大下さんが彼女に用があって声をかけた。すると座っている彼女は大下さんをやや上目遣いで見つめ、腕を組んだ状態で、彼を指差しこう言った。
「ねえ、名前なんだっけ」
それを見ていた社長は笑っていた。
「名前なんだっけって・・・笑笑」
そういうプレイに興味はないが、言葉で虐げられて興奮する気持ちが少し分かった気がした。今度痴女ものを演じるときは、ひかるさんをイメージしよう。
「凪ちゃんは長いこと撮影させてくれないんだよ」
西田さんが言った。
「彼女は飽きちゃうんだよ。だから撮影に時間がかかってると『もういいでしょ?』みたいな顔しだして、ニコッともしてくれない。目線向けてほしいなと思っても、ちょうどいい角度の視線だけさっと流したりするんだよね」
「西田さん、もてあそばれてますね」
「そうなんだよ。でもそれもまたいいんだよね」
西田さんは笑っていた。それを聞いていたひかるさんは「そんなことしてないよ」と否定するではなく「飽きてるって分かってたんだ」と高貴な顔でうふふと笑っていた。
ひかるさんの女の余裕感、本気でかっこいい・・・。ちなみに西田さんは少しMっ気があるようだ。
社長もこんなひかるさんエピソードを話してくれた。
「彼女は忖度とか全くしないねん。自分を持ってる。エイトウーマンの撮影の後、彼女は真っ先に帰っていったもんね。誰にも何も言わず、さーっと消えていくから、俺追いかけたくらいやもん。
その時みんなでロケバスに乗って帰ってきてんけどな、凪ひかるはバス降りてすぐ右手上げてた。息をするようにタクシー呼んでた」
ひかるさんと話していて、高校の頃からずっと仲の良かった友人を思い出した。その友人は私の1番の仲良しだった。ひかるさんと高校時代に会っていたら、むっちゃ仲良しになってたかもしれないな。
女神ジュンさんとの初対面
『女神ジュンさん』は今年エイトウーマン初参加。私とも初対面だった。写真ではあどけない印象だったが、実物の彼女は大人っぽくて、落ち着いた人だった。仕草や喋り口調がゆったりしていて、『女神』という名前がよく似合っていた。
ジュンさんは西田さんと写真を見て回った後、こう言っていた。
「ちょっと言葉にできない。みんなが泣いてしまうの分かります」
ジュンさんに写真集へのサイン依頼が何件かやってきた。会場で写真集を購入すると、在廊中の女優や西田幸樹さん、そして私のサインがもらえるという、秘密特典があるのだ。
「かんなさん、サインってすぐ思いつきました?」
ジュンさんはマジックペンを右手に、私に聞いてきた。
「うん、意外とすぐ完成しましたよ。ジュンさんは時間かかったんですか?」
「いや、実はまだできてないんです」
彼女はそう言ってふんわり笑った。特に焦る風でもなく、それが自然なことであるように。だって彼女は女神だから。
「女神って名前、それだけで可愛いよね。私も考える」
女王様、いや、ひかるさんが横でそう言った。そういうところは楽しそうに乗ってきてくれるのが、また可愛い。
それから社長も交えてみんなでジュンさんのサインを考えた。
そして彼女は初めてのファンとの対面。写真集を表彰状のように手渡していた。
これから『女神ジュン』を応援してください!
生き生きして夢を話してくれた鷲尾めい
『鷲尾めいさん』がやってきた。めいさんは「人見知りが発動した」と、やや緊張しながら控室に入ってきた。去年もこんな感じだったな。
めいさんが西田さんと写真を見にいく。私はそれについていく。すると彼女は私に言った。
「かんかん、こんなに小さかったっけ?」
”かんかん?・・・パンダか?”
「あ、私、かんなちゃんのこと勝手に『かんかん』って呼ばせてもらってるねん。『かんなちゃん』と『かんなさん』ってちょっと距離あるなと思って」
あだ名で呼んでもらっているということは、親しみを感じてくれていると思っていいだろうか。人見知りの彼女を少しでも緊張させない存在になれていることは嬉しかった。
めいさんの在廊中は会場のお客さまがドッと増えた。そして写真集もボンボン売れた。みんな彼女に会いたくて、彼女と会った証拠が欲しいのだ。
写真集を買うか悩んでいる男性に「めいさんのサインもらえますよ」と伝えると、かなりの確率で購入を決意してくれる。めいさんパワー、ありがとう!
ファンとのイベントが落ち着いて、控室に戻ってきためいさんと少し話した。
「社長はもう友達やと思ってるねん。年の離れた友達。私のわがままを色々聞いてくれて、エイトマンでは本当に好きなことやらせてもらってる。
この前出した写真集も、事務所を通さずに、私が信頼してるカメラマンとメイクさんに声かけて創り上げてん。社長は『いいやん、やってみたら』って見守っていてくれた」
めいさんは自分のことを話してくれた。私が「今後も何かしようと考えてるんですか?」と聞くと「うん!もちろん!」と教えてくれた。
「もうすぐ5周年になるねん。その時にあることをしようと考えてる。もっとファンと近づけるようなことしようと考えてるねん」
そう話すめいさんは生き生きしていた。生き生きしている彼女はとても”可愛かった”。
私は女優と社長の信頼関係を見たり聞いたりするとホッとする。女優がしっかり社長を慕っているエイトマンはいい事務所だなと確信できる。
そして彼女のようにこれから新しいことをしようと前向きになってる姿勢を見ると、勇気づけられる。私も頑張ろうと思える。
「『かんかん』、広めていくね」
「うん、そうして!」
めいさんは私を『かんかん』と呼び、私は彼女を『めいめい』と呼ぶようになった。