パッチール

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2024/11/16 東大ロー 再現答案 民事系

 こんにちは。「文章力が低い」パッチールです。笑  質問箱でどなたかにこのように煽られました。文章力など一朝一夕で身につくものではないですが、気をつけたいですね。 設問1 民法 再現答案 第1 設問1(以下、法令名「民法」を省略) 1 C社のAに対する本件土地の抵当権設定登記の抹消登記手続請求は、短期消滅時効により甲債権が消滅することを根拠とするものであると考えられる。 2⑴ C社は、Aと抵当権設定契約を締結している。抵当権者は、「第三者が…債務の担保に供した不動産」(3

    • 最速で振り返る東大ロー入試 刑事系

      初めに、こういう感じの文章を書かないので、何から書いたらいいか若干戸惑っておりますが、色々な方がnoteで創作活動をしているので、自分もそれに触発されてこのnoteを書くことにしてみました。パッチールと申します。至る所で名前を間違えられがちですが、ポケモンに出てくるアイツです。  自己紹介もそこそこにして、本日11/16に行われた東大ローの入試問題について、自己の出来も含めて振り返っていこうと思います。まず刑事系から。 ※追記 2024/11/18 問題文の公開が著作権的

      • 令和6年度 予備論文 再現 刑事実務基礎 

        第1 設問1 1 小問⑴ ⑴ 本件車両が放置された現場の写真撮影は検証としての性質を有するため、強制処分にあたるならば、令状主義に違反する。強制処分とは相手方の明示又は黙示の意思に反し、その重要な権利利益を実質的に制約するような処分をいうと解される。  本件車両はもともとAの所有物ではない。また、現場にはプライバシーとして要保護性が特に高い物が存在するわけではない。そのため、本件車両が放置された現場の写真撮影は強制処分に当たらず、任意処分であるため、令状を要することなく行うこ

        • 令和6年度 予備論文 再現 民事実務基礎

          第1 設問1 1 小問⑴  所有権に基づく物権的返還請求権としての建物収去土地明渡請求権 2 小問⑵  被告は原告に対して、本件建物を収去して本件土地を明渡せ。 3 小問⑶ ①原告は令和2年7月1日、本件土地を所有していた。 ②被告は本件建物を所有することで本件土地を占有している。 4 小問⑷ ①原告はAに対して、令和2年7月1日、本件土地を賃料月額10万円、毎月末日に翌月分払い、期間30年間の約定で賃貸した。 ②①に基づき、原告はAに対して、令和二年8月中に本件土地を引き渡

          令和6年度 予備論文 再現 刑事訴訟法

          第1 設問1 1 悪性格の立証を媒介として、甲が事件①の犯人であることを事件②の犯人がこうであることを推認させる間接事実として用いることはできるか。  悪性格の立証を媒介として類似事実を犯人性の立証に用いることはできないと解する。なぜなら、悪性格の立証は実証的根拠の乏しい人格的評価に繋がり、誤った事実認定を導く恐れがあるからである。また、争点が拡散する恐れもある。  したがって、上記のような証拠の用い方はできないと解する。 2 では、悪性格の立証を媒介としない場合であっても、

          令和6年度 予備論文 再現 刑事訴訟法

          令和6年度 予備論文 再現 刑法

          第1 甲が本件ケースをポケットに入れた行為について窃盗罪(刑法(以下法令名省略)235条)の成否 1. 本件ケースは「他人」たるAの「財物」である。 2. 「窃取」とは占有者の意思に反して、目的物を自己または第三者の占有に移転させることをいう。 ⑴ 「窃取」というためには、財物が第三者の占有に属していることを要する。そして、占有は事実的支配及び支配意思から判断される。 ⑵ 確かに、甲が本件ケースを拾い上げた地点から上記交差点方向に約20メートル戻れば第一現場を見通すことができ

          令和6年度 予備論文 再現 刑法

          令和6年度 予備論文 再現 民事訴訟法

          第1 設問1 1 時期に遅れて提出された攻撃防御方法については、裁判所は民事訴訟法(以下法令明省略)157条1項に基づき却下することができる。 ⑴ 「訴訟の完結を遅延をさせることとなると認めたとき」とは、当該攻撃防御方法が提出された場合とされなかった場合を比較して、前者の場合には新たな期日の設定が必要となるような場合をいうと解する。  弁論準備手続における争点整理手続の結果、本件訴訟においては、本件契約における代理権の授与の有無及び表見代理の成否が主要な争点となった。そして、

          令和6年度 予備論文 再現 民事訴訟法

          令和6年度 予備論文 再現 会社法

          第1 設問1 1 小問⑴ ⑴ 甲社による本件株式の買取りは自己株式の取得であるため、株主総会の決議を経る必要がある(会社法(以下法令名省略)156条1項柱書本文、309条1校)。その上で、取締役設置会社である甲社においては、取締役会決議によって157条1項各号に定める事項を定め(157条1項柱書、2項)、それを株主に通知する必要がある(158条)。また、特定の株主から自己株式を取得する場合、自己を特定の株主に取得することができる旨を株主に事前に通知(160条2項)した上で、株

          令和6年度 予備論文 再現 会社法

          令和6年度 予備論文 再現 民法

          第1 設問1 1 CのDに対する請求は所有権に基づく物権的返還請求権としての土地明渡請求である。物権的返還請求権の要件は①原告が目的物を所有していること、②被告が目的物を占有していることである。Dは現在も乙土地を占有しているので、②を満たすことは明らかである。 2 では、Cは乙土地の所有権を有するか。 ⑴ Aが搭乗していたタンカーは令和3年4月1日未明に発生した船舶火災によって沈没したため、Aは「沈没した船舶の中に在った者」(民法(以下法令明省略)30条2項)にあたる。そして

          令和6年度 予備論文 再現 民法

          令和6年 予備論文 行政法 再現

          第1 設問1 1 「法律上の利益を有する者」(行政事件訴訟法(以下「行訴法」とする)とは、違法な行政処分がなされることによって自己の権利又は法律上保護された利益を侵害されまたは必然的に侵害されるおそれのあるものをいう。そして、ここでいう法律上保護された利益とは、処分の根拠規定が個々人の具体的利益を一般的公益に吸収解消させるにとどめず、これを個別的利益としても特に保護する趣旨を含むと解される場合における当該利益をいうと解する。 2 Xの主張する被侵害利益は根菜類等の農作物を栽培

          令和6年 予備論文 行政法 再現

          令和6年 予備論文 再現 憲法

          第1 ⑴ 1 祭事挙行費を町内会の予算から支出することは、政教分離に反するとして憲法20条3項及び89条に違反するのではないか。 2 まず、A町内会が「国及びその機関」にあたるか。  確かに、A町内会は地方自治法260条の2第1項に定める「認可地縁団体」にあたるところ、同条第6項は「第1項の認可は、当該認可を受けた地縁による団体を、公共団体その他の行政組織の一部とすることを意味するものと解釈してはならない」と定めている。また、津地鎮祭事件や玉串料事件は愛媛県のような純粋な公共

          令和6年 予備論文 再現 憲法