100倍、身につく国語力 (10)
(5)「ハエ」と「はい」のちがい(71話)
①原画(マンガ)
②200字作文(例文)
ある日、コボちゃんはハエを見て、
「はい」と言ったところ、おじいちゃ
んは吸っているタバコを指さして、
これを「はい」というのだと教えま
した。次の日、コボちゃんは幼稚園の
先生に名前を呼ばれたとき、「はえ」
と返事をしてしまいました。すると、
となりに座っていた女の子は不思議
そうな顔をしていました。
つまり、コボちゃんはまだ「ハエ」
と「はい」の区別ができていなかった
ということです。
③タイトル
「ハエ」と「はい」の勘違い
④「落ち」について
この話では、おじいさんではないの
ですが、飛んでるのは「灰」ではなく、
まさに「ハエ」だったわけね。しかし、
コボちゃんは、それに気づいていない
ようです。
⑤関連情報
マンガの「ハエ」は、一見すると
「ハエ」が東京方言では、「はい」に
なって伝わったと考えられそうです。
ある資料では室町時代以後、当時の
都であった京都でも、「はい」という
発音が広がってきたとあるので、必ず
しも江戸言葉だけが変化した音では
なさそうです。このように「い」と
「え」の発音には揺れがあり、それは
東北地方から、関東の方言の特徴でも
あり、その影響が考えられます。その
揺れは、地域のことばだけでもなさ
そうです。
ちなみに「ハエ」の熟語を見てみる
と、「はい」や「はいたたき」などは、
伝統的に「はい」の発音となっています。
ある調査によると、「はえ」と言う人
が、全国では83%と多数を占め、学術名
(和名)も「はえ」になっています。
ところで、昭和の時代まであった「はい
たたき」も、日本人の生活様式の変化の
ため、私たちの身辺から姿を消しつつ
ある現状では、「はえ」という発音が
当たり前になりそうです。
(ハエ取り紙)
(ハエたたき)
(6) 捨てネコが「粗大ゴミ」なの?
(77話)
①原画(マンガ)
②200字作文(例文)
ある日、おじいちゃんは粗大ゴミ
捨場で、まだ使えそうな丸イスを見つ
けました。おじいちゃんはそれを取り
上げながら、最近の日本人は何でも
簡単に物を捨てるのかを嘆いていま
した。
その後、家に帰ってその丸イスに
座りながらママとコボに、もったい
ないから拾ってきたことを、自慢そう
に話していました。それを聞いていた
コボちゃんは、ゴミ捨場で拾ってきた
3匹の子ネコを押し入れに隠したけれ
ど、おばあちゃんに見つかってしまい
ました。
③タイトル
捨てネコが「粗大ゴミ」なの?
④「落ち」について
コボちゃんは、おじいちゃんに見習っ
て、なんと捨てネコを三匹も拾ってき
たのです。これにはおばあちゃんも
あきれてしまったのが「落ち」になって
いますね。
⑤関連情報
コボちゃんは、捨ててある物は何で
も構わないと思ったのでしょう。小ネコ
を拾ってくるというのは、いかにもコボ
ちゃんらしい思いつきだと思いませんか。
ところで、「粗大ゴミ」といえば、会社
を辞めて家でゴロゴロしているご主人に
対して、「粗大ゴミ」と呼んでいた時代
がありました。今考えても、なんとも
失礼な表現ではないでしょうか。
(粗大ゴミと3匹の捨てネコ)
アナミズ (2024.02..21)