100倍、身につく国語力(154)話しコトバ篇
❤小~高校生と、母親向けのレッスン
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話しコトバの言い方
(4) 典型的な「話しコトバ」
の形 ④
「話しコトバ」は無数にあるため、とて
も全部は紹介し切れませんが、可能な限
選び出していくつもりですが、次のよう
な場合はどうでしょうか。
【例文29】
なので、コボちゃんはそーっ
とお母さんの後ろから目隠し
をした。しかし、コボちゃん
は目隠しをした後すぐ逃げて
しまった。 (第51話)
【訂正語句】
・なので、→だから、
・そーっと
→気づかれないように、
静かに
・目隠しをしたあと
→目かくしをした後、
あいかわらず「なので、」という接続
詞使われていますが、多くの人は、これ
は日常会話で口癖のようになっているの
で、すぐに「それで、」に直せないのかも
知れません。
「そーっと」は明らかな「話しコトバ」
なので、これも「静かに」か「気づかれ
ないように」というように、「書きコトバ」
に直した方がいでしょう。
(訂正文29)
それで、コボちゃんは気づかれ
ないように(静かに)お母さん
の後ろから目かくしをした。
しかし、コボちゃんは目かくし
をした後、すぐ逃げてしまった。
【例文30】
すると、コボちゃんはお兄ちゃ
んが欲しくなった。そんなコボ
ちゃんの様子を見ていたお母さん
はお父さんにコボちゃんがション
ボリしていると伝えた(第52話)
【訂正語句】
・すると、→そのとき、
・欲しくなった
→望んで(求めて)いた
・ションボリしている
→元気がなくなっている
まずお母さんを修飾する部分が長過ぎ
るので、「お母さん」は文頭に持って
きた方がいでしょう。また、「ション
ボリしている」は「話しコトバ」なので、
これは「元気がなくなっている」という
ふうに直した方がいいでしょう。
さらに、この部分は文章の構成自体が
よくないので、次のように直してみました
が、いかがでしょうか。
(訂正文30)
すると、コボちゃんはお兄ちゃん
が欲しくなった。お母さんはそん
なコボちゃんの様子を見てかわい
そうに思った。そこで、お母さん
はお父さんにコボちゃんに元気が
ないことを伝えた。
「ションボリ」という副詞は、元気の
ない状況を一言で説明できる便利な表現
ですが、これをこのまま使うと「話しコト
バ」になってしまいます。
❤この辺の事情が「話しコトバ」
と「書きコトバ」の境界になっ
ているので、それがわかるよう
になるまで、十分気をつけたい
ものですね。
アナミズ(2024.07.14)