100倍、身につく国語力(272) 映像篇
❤小~高校生と、母親向けのレッスン
(1年間で国語力の悩みが解決できる!)
<映画の活用法>
日本語教育での映像機器の
効果的な使用法 ②
1.英語教育のテレビ教材
さて、英語教育の分野では、語学教材
の一貫としてハリウッド映画を教材とし
て活用することはそうとう盛んであるが、
日本語教育に映画の活用をすることは、
従来あまり考えられてきませんでした。
そこで、多くの日本人教師は、授業の
中で映画を教材として使用したいと望ん
でいながら、いまだにその有効な利用が
なされていないようでです。映画は確か
に話題性もあり、映像を通して学習者に
理解を深める効果があると思われるが、
実は、それに先んじてテレビ教材をどう
活用するかという問題を考えてみなけれ
ばなりません。なぜなら、映画利用の
効用は、テレビ利用の在り方と関連して
いるからでです。
例えば、教師が学習者にどんな素晴ら
しい内容のテレビ番組やビデオを見せよ
うとしても、カリキュラム上それを見せ
る時間を確保すらできないという状況
では、映画を見せること自体不可能です。
そこで、ここでは映画を教材として使用
する際に、ビデオ教材にどのような問題
があるのかを整理しながら、いくつか
提案をしてみたい。
2. テレビやビデオ(DVD) 教材の利用
最近、日本語教育に関する境域現場
のビデオ教材は、前と比べものになら
ないほど研究が進み、授業の中で有効
な視聴覚教材として活用されるように
なってきています。そして、その作成
された内容は多くは以下のようになり
ます。
① 日本語の言語構造の特徴が
系統的になっているもの
② 日本の文化や歴史、政治や
経済などを、自然な形で
紹介しているもの
③ 日本人の生活様式、生き方、
考え方などをドラマ化して
いるもの
内容は、このように大別することが
できます。それぞれのビデオ教材は、
補助教材として利用価値があるものの、
やはり一長一短あって使いにくい点の
あることは否定できません。なぜなら、
これらのビデオはあくまで視聴覚教材
として作られているだけに、内容が
いかにも教科書的な域を出ていないた
めに、ときとして意図的に作り上げら
れた場面や台詞があって、普通の日本
人の目から見て不自然に感じることが
よくあるからです。
ちなみに、テレビはまさに生きた教材
の宝庫といえます。日本語教師は数多く
ある放送番組から、いい教材になりそう
な番組を録画をするだけでも精一杯な
のに、それを編集するような時間はほと
んどないというのが現実です。日本語
教育も、学校の国語教育と同様カリキュ
ラムをきちんと組まれており、学習者に
ビデオを見せる時間的な余裕がないと
いうのが実情といえます。
しかし、毎日テレビから洪水のように
溢れ出る情報に対して、教師がほとんど
手を触れないという現状はいかにも惜し
まれます。例えば、昔NHKで毎日曜日の
夜7時から放映されていた『ふるさと日本
のことば』(40分番組)は、各県別に
その県の方言を取り上げており、各地の
様々な方言が実に分かりやすく編集され
ていました。この番組内容はかなり工夫
されていて、何の予備知識がなく見てい
ても十分に楽しめるものになっていまし
た。
これは基本的には日本人向けの内容な
のだろうが、実は外国人が見ても方言の
理解にそうとう参考になります。もし、
これに日本語字幕がついていれば、日本
各地の方言を知る上でも非常に役に立つ
教材となります。
また、これも当時の衛星放送の「衛星
劇場」というチャンネルの「デフ・シア
ター」という番組では、毎日曜日の朝7
時から9時まで日本映画に日本語字幕を
付けた番組が放送されていました。これ
はもともと難聴者向けの番組でです。
ただ、日本人の難聴者だけでなく、別の
視点から見れば、この字幕によって外国
人にとっても、非常に理解しやすい映画
放送なったと思われます。
このチャンネルで放映される映画は、
『寅さんシリーズ』、『釣りバカ日誌
シリーズ』、『学校シリーズ』などの
松竹系の映画や、他社の有名な映画が
中心になっています。これは、今でも
NHKBS放送では字幕付きでないものの、
継続的に放映され続けています。
この点からすると、松竹は日本の映画
界では、自社の映画作品に日本語字幕を
付けることに理解のある珍しい会社だと
思われます。とにかく将来はもっと多く
のテレビ番組に日本語字幕がつくことが
予想されるので、そういう番組を録画
しておいて外国人に見せる教材として考
えるのも、日本語の学では効果的な方法
の一つと考えられます。
❤上に述べたことは、かなり古い
考え方で、今では、だれもが
スマホを持っている時代なので、
それを辞書代わりに使用するの
が一番手っ取り早いのではない
でしょうか。
アナミズ (2024.11.10)