100倍、身につく国語力(277) 映像篇
❤小~高校生と、母親向けのレッスン
(1年間で国語力の悩みが解決できる!)
<映画の活用法>
日本語教育での映像機器の
効果的な使用法 ⑦
映画を言語、文学、歴史などが、どう
展開されているかという視点から眺める
ことによって、学習者は新たな楽しみと
感動が発見できます。それは教科書だけ
では味わえない映画の醍醐味であり、
生徒はほとんど無意識に感じていたこと
でも、画面を通して明確に理解できる
ことが多くなっています。映画の魅力は
とても一言では言い尽くせないが、迫真
に迫るドラマチックなストーリーは、
生徒に感動を与えるだけでなく説得力が
あります。
例えば、日本映画の『学校』という
シリーズ作品は、普通の学校の映画では
なく、『学校Ⅰ』の夜間中学から始まり、
『学校Ⅱ』では養護学校、『学校Ⅲ』は
中高年の職業訓練学校が主な場面となっ
ており、一般の小・中学、高校ではない
学生の生活にスポットを当てています。
そして、山田洋次監督は彼の作品を通し
て日本の学校、教育、社会などに対して
鋭く問いかけており、この映画の中で彼
の教育論が投げかけられていて、日本の
教育の在り方が考えさせられます。
さて、岩井俊二監督の『Love Letter』
は、若い男女のラブロマンスで、一通の
手紙がきっかけとなって、若い女性が山
で遭難したフィアンセと、まるで交信を
しているような錯覚をするミステリー風
の話です。ヒロインを演ずる博子(中山
美穂) のさりげない言葉や、何気ないしぐ
さの中には、恋人が忘れられずにいつま
でも心の中深く想っている、という日本
女性の優しさがよく表現されています。
一方、韓国にも『手紙(ピョンジ)』
という映画で、脳腫瘍に冒された夫が亡
くなる前に書いた手紙で、大学の教授で
ある妻が悲しみから立ち上がっていくと
いうラブストーリーがあります。これら
の映画には「愛」というテーマで、どこ
か一脈の共通点があるような気がします。
ちなみに、この映画ではチェ・ジンシル
がヒロインを演じていて、彼女の素直な
演技が韓国女性の涙を誘ったと聞いてい
るが、私も涙なしでは見ることがせきな
かったた映画の一つとなっています。
このように映画は視聴者の感性や理解
に、直接働きかける効果があり、授業の
中で視聴覚教材として使用することに大
きな効果が期待できます。そこで、教師
が映画をいかに授業に組み込んでいくか
が、本当に問われることになるので、次
に具体的に授業の中で、どのような準備
が必要かを配慮することが大切だといえ
ます。
テレビ番組は、まさに生きた教材の
宝庫といえます。日本語教師は数多く
ある放送番組から、教材になりそうな
番組録画をするだけでも精一杯なのに、
教材に相応しい番組を取捨者選択する
ような時間はほとんどないというのが
現実の問題としてあります。さらに、
日本語教育の現場では、普通カリキュ
ラムがきちんと組まれており、学習者に
わざわざビデオを見せる時間的な余裕が
ないというのが実情のようです。
しかし、毎日テレビから映像が洪水の
ように溢れ出る情報に対して、教師が
ほとんど手を触れないという現状はいか
にも惜しまれます。そこで、一つの方法
としては、現在、話題の「ChatAPT」や
「生成AI」の機能を活用し、大量の情報
を処理する方法を考えるのも、今後考え
ていく必要があると思われます。
なぜなら、今、地上波やBSでは、大量
のリバイバル映画が放映されているが、
これなどはまさに「ChatAPT」や「生成AI」
の機能を上手に活用すれば、テレビ局に
依存するだけでなく、個人のパソコンから
さまざまな映画の検索が可能 とすること
ができます。
❤ネットの機能が向上するに従い、
情報の収集の仕方は劇的に変化
しています。今後は、この変化
に即応した方法で、新しいアイ
デアを考えるにしても、その際
の大きな壁の一つは、著作権に
あるもですが、現状ではだれも
たんに深刻な状況になると指摘
しているだけで、解決法を見出
しているとは思われません。
アナミズ (2024.11.17)