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100倍、身につく国語力(125)話しコトバ篇

❤小~高校生と、母親向けのレッスン
 (1年間で国語力の悩みが解決できる!)
 
 話しコトバの言い方
  (2024.1/31~2/11連載)のつづき
 
18.【形容詞 ①】「何気に~」は     

   典型的な「話しコトバ」
 
 日本の学校教育では、国語の教科書に、
「話しコトバ」と「書きコトバ」の特徴や
違いについて、確かに説明がしてあります。
ただ、ことさら、これについて深く考える
ことは、物理的な時間制限のあるカリキュ
ラムでは、一読する程度で流されてしまう
ようです。
 
つまり、日本人の多くは、「話しコトバ」
と「書きコトバ」について、ほとんど何も
知らないまま、大人になってしまうという、
悲しむべき現実があるのです。
 
 私が、noteのブログに書いているのは、
ことさら「話しコトバ」と「書きコトバ」
の違いを指摘するだけではないのです。
せっかく日本語という美しい言語がある
のですから、これを未来永劫に継続して
いくために、警鐘を鳴らしているに過ぎ
せん。そのことをぜひ理解していただき
たいのです。
 
ちなみに次のような文を見ると、その
傾向がよくわかります。
 
 普段、わたしたちは「何気に(=何気
なく)」
という表現をほとんど無意識に
使っているようです。日本人は、この
場合には、どんな言葉遣いをすればいい
のかと、いちいち考えていると会話に
ならないので、それも自然な言語活動だ
と思います。
 
 このように見ても、やはり気になる
言葉遣いに対して、ときには立ち止まっ
て、その是非を考え直してみる必要が
ありそうです。その典型的な一例として、
「何気に」や「~など」について考えて
みましょう。

ネットのイラストより転載


 <例文77> 
  入学してしばらくもなかなか
  その気持ちがふっきれずもや
  もやした気持ち
を抱えながら過
  ごしていました。
 
 【訂正語句】
  ・しばらくも
   →意味不明。「しばらくして
    からも」か?
  ・なかなか
   →却って
  ・ふっきれず→切り替えられず
  ・もやもやした気持ち
   →重苦しい感情
 
 「ふっきれず」は「話しコトバ」の
典型である
し、引き続き書いてある
「もやもや」は、「沈んだ」や「霧が
かかったような」でいいかもしれません

ただ、少し感情的な表現になっている
ような気がします。そこで、次のように
直してみました。
 
 (訂正文77)
  入学してしばらしてからも、
  なかなかその思いが切り替え
  られず、重苦しい感情を抱え
  ながら過ごしていました。

 上の例で、「気持ち」とあるのは、
これも「話しコトバ」の典型なので、
「思い」や「感情」という言葉に直す
必要があります。さて、次の例はどう
見ればいでしょうか

 <例文78> 
  キャンプなどを通じていっぱい
  友達ができ、だんだん 気分が
  晴れてきました。
 
 【訂正語句】
  ・キャンプなど→キャンプを
  ・いっぱい→たくさん
  ・友達ができ→友人ができ
  ・だんだん→少しずつ、次第に
     ・気分が晴れて
   →精神が落ち着いて

ネットのイラストより転載



 「キャンプなど」の「~など」は、最近、
多くの人が使いたがります。しかし、これは
「~など」と、わざわざ表現する必要はあり
ません。「キャンプ」でれば、「キャンプ」と
断定的にいえば、済むことですが、日本人の
深層心理では、「例えば、キャンプなどは」
というのが、婉曲な意味があると考えている
からではないでしょうか。
 
 (訂正文78)
  キャンプを通じてたくさん友達が
  でき、少しずつ気分が晴れてきま
  した。

 
 上の例は本当に簡単なことで、指摘される
と容易にわかるものばかりです。しかし、
こういう簡単なことも気がつかないことが案外
多いものです。
 
 
 ❤「何気に」は、典型的な「話し
  コトバ」の一つ
で、若い人の
  会話文で頻繁に使われますが、
  これはどう考えてみても「書き
  コトバ」にならないので、気を
  つけたいものです。 
  それに、「~など」は、ほどん
  どの日本人が好んで使うので、
  これも極力控えた方がいい
と思
  われます。
 
  アナミズ (2024.06.15)

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