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100倍、身につく国語力(219) 作品篇
❤小~高校生と、母親向けのレッスン
(1年間で国語力の悩みが解決できる!)
杉みき子の作品について (19)
これまで、杉みき子の『小さな町の
風景』について、いくつかの資料を参考
にしながら、個々の作品はもちろんの
こと、この本の内容や構成、物語の背景
などを全体的な視点から考えてみました。
杉氏の作品については、既に児童文学
の分野で様々な視点から研究され、国語
教育の現場でも多くの実践報告がなされ
ています。特に国語の教科書に掲載され
ていることから、授業展開の研究のみ
ならず、音読・朗読の在り方などの進め
方の発表などの広い分野まで波及してい
ます。
![](https://assets.st-note.com/img/1726607830-DY9QvuXgxTyfiVr01Zp7KjmB.png)
そこで、今回、杉氏の作品を部分的な
考察に終わるのではなく、鳥瞰的な視点
から作品の構成や内容について焦点を当
て、さらに、杉氏の人間性が作品に及ぼ
す影響まで分析してみました。つまり、
このブログは大まかに言えば、彼女の
作品そのものと人間性の両方から考える
方法を取ったことになります。
そこで、本ブログの内容をまとめてみ
ると、彼女の作家としての「原体験」
からはじまり、『小さな町の風景』の
構成、内容、文体の特徴、構造パターン、
彼女の人間性の作品への影響、祖母と
「おばあちゃん」の相関関係などとなっ
ています。
以上の項目に沿って整理してみたとこ
ろ、杉氏の児童作家としての活動は広範
囲に及んでいるため、とても簡単には
まとめられないことがわかりました。
そのため、今回は少なくとも杉氏の人間
性の一端に言及できるように心がけた
つもりです。
![](https://assets.st-note.com/img/1726607435-CGbUOxFJsBeyPlf9MD1d6wLX.jpg?width=1200)
なお、このブログではきちんとまとめ
まとめみれたかどうについては、あまり
自信はありませんが、これを書くという
直接の契機となったのは、杉氏の住んで
おられる新潟県高田を訪問したことが
きっかけであることは確かです。
また、杉氏の『小さな町の風景』は、
「子ども作文教室」の要約文の教材とし
て使用している関係で、日頃、教材研究
として読み込んできたという経緯があり
ます。しかし、個人的には杉氏の作品に
対しての理解が不十分な点もあったため、
再度他の作品とも見比べながら深読みを
心がけたところ、共感する点や疑問点を
考える必要を感じたので、その分析を試
みることにした次第です。
こういう考えのもと、この夏休みに改
めて杉氏の作品をじっくり精読してみた
ところ、杉氏の作品や豊かな人間性の
魅力に、はからずも引き込まれてしまい
ました。何よりも彼女が人間や自然の、
森羅万象に対する温かい眼差しは、彼女
の「おもいやり」とか、「優しさ」とか
いう「人間愛」の心情であり、ある意味
では宗教的な慈愛に満ちているのでは
ないでしょうか。
![](https://assets.st-note.com/img/1726607525-K10WlRbJBtAnE6hUjGDqsIyr.png)
それは、彼女の文章や内容を見ても明
らかで、どこまでも信じたい人間、生き
物、自然などに対して、あらゆるものへ
の感謝や敬虔な祝福で満ち溢れているの
です。このように、杉氏はなんの見返り
を求めず、惜しみなく愛を注ぐという
姿勢で一貫していることに共感を覚え
ないわけにはいきません。
❤杉氏は、周囲の人々に対して、
ただ愛するのではなく、とき
には厳しく叱咤激励して、人が
全て幸福になってほしいという
博愛的な祈願ともいえます。
以上、杉みき子さんについて
『小さな町の風景』を中心に
考えてきましたが、読者の方に
は、ぜひ彼女の抱く品に関心を
持っていただければ嬉しいです。
アナミズ (2014.09.19)