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100倍、身につく国語力(219) 作品篇

❤小~高校生と、母親向けのレッスン

 (1年間で国語力の悩みが解決できる!)

 杉みき子の作品について (19)

 これまで、杉みき子の『小さな町の
風景』について、いくつかの資料を参考
にしながら、個々の作品はもちろんの
こと、この本の内容や構成、物語の背景
などを全体的な視点から考えてみました。

 杉氏の作品については、既に児童文学
の分野で様々な視点から研究され、国語
教育の現場でも多くの実践報告がなされ
ています。特に国語の教科書に掲載され
ていることから、授業展開の研究のみ
ならず、音読・朗読の在り方などの進め
方の発表などの広い分野まで波及してい
ます。

ネットのイラストより転載

 そこで、今回、杉氏の作品を部分的な
考察に終わるのではなく、鳥瞰的な視点
から作品の構成や内容について焦点を当
て、さらに、杉氏の人間性が作品に及ぼ
す影響まで分析してみました。つまり、
このブログは大まかに言えば、彼女の
作品そのものと人間性の両方から考える
方法を取ったことになります。

 そこで、本ブログの内容をまとめてみ
ると、彼女の作家としての「原体験」
からはじまり、『小さな町の風景』の
構成、内容、文体の特徴、構造パターン、
彼女の人間性の作品への影響、祖母と
「おばあちゃん」の相関関係などとなっ
ています。

 以上の項目に沿って整理してみたとこ
ろ、杉氏の児童作家としての活動は広範
囲に及んでいるため、とても簡単には
まとめられないことがわかりました。
そのため、今回は少なくとも杉氏の人間
性の一端に言及できるように心がけた
つもりです。

ネットのイラストより転載

 なお、このブログではきちんとまとめ
まとめみれたかどうについては、あまり
自信はありませんが、これを書くという
直接の契機となったのは、杉氏の住んで
おられる新潟県高田を訪問したことが
きっかけであることは確かです。

 また、杉氏の『小さな町の風景』は、
「子ども作文教室」の要約文の教材とし
て使用している関係で、日頃、教材研究
として読み込んできたという経緯があり
ます。しかし、個人的には杉氏の作品に
対しての理解が不十分な点もあったため、
再度他の作品とも見比べながら深読みを
心がけたところ、共感する点や疑問点を
考える必要を感じたので、その分析を試
みることにした次第です。

 こういう考えのもと、この夏休みに改
めて杉氏の作品をじっくり精読してみた
ところ、杉氏の作品や豊かな人間性の
魅力に、はからずも引き込まれてしまい
ました。何よりも彼女が人間や自然の、
森羅万象に対する温かい眼差しは、彼女
の「おもいやり」とか、「優しさ」とか
いう「人間愛」の心情であり、ある意味
では宗教的な慈愛に満ちているのでは
ないでしょうか。

ネットのイラストより転載

 それは、彼女の文章や内容を見ても明
らかで、どこまでも信じたい人間、生き
物、自然などに対して、あらゆるものへ
の感謝や敬虔な祝福で満ち溢れているの
です。このように、杉氏はなんの見返り
を求めず、惜しみなく愛を注ぐという
姿勢で一貫していることに共感を覚え
ないわけにはいきません。

  ❤杉氏は、周囲の人々に対して、
   ただ愛するのではなく、とき
   には厳しく叱咤激励して、人が
   全て幸福になってほしいという
   博愛的な祈願ともいえます。
   以上、杉みき子さんについて
   『小さな町の風景』を中心に
   考えてきましたが、読者の方に
   は、ぜひ彼女の抱く品に関心を
   持っていただければ嬉しいです。

 アナミズ (2014.09.19)

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