100倍、身につく国語力(225) 作品篇
❤小~高校生と、母親向けのレッスン
(1年間で国語力の悩みが解決できる!)
漱石の『夢十夜』について (6)
「第三夜」は、親の百年前に犯した
「子殺し」がテーマととなっています。
それは、親が背負った子どもから指摘
を受けるまで、全く気づかないという
設定で、重苦しい作品となっています。
従って、必然的に人間が抱える「原罪」
について触れる機会となります。それ
は、一種宗教的な「原罪」を併せて考
えることにもなり、若い人には難しい
内容かと知れませんが、チャレンジ
する価値があると思われます。
① 中3の要約文
こんな夢を見た。六歳になる
盲目の自分の子供を背負って
歩いていた。だが、彼は盲目
だが、田んぼを歩いていること
が分かったり、鷺が鳴くことを
予言したりした。私は少し怖く
なり、彼を森の奥に捨てること
にした。そして、路を歩いて
いくにつれて、彼は私の息子で
盲目であるにも関わらず、私の
全てを知っているように感じた。
そしてある杉の根についた時、
私は百年前に盲目の男を殺して
いたことをい出した。(その
とき、背中の子どもが急に地蔵
のように重くなった。)
② 高3の要約文
こんな夢を見た。私は眼が潰れ
て青坊主になって6歳の息子を
背負っている。声は子どもで
あるが、言葉使いはまるで大人
である。子どもを背負って森の
中を進んでいくにつれて、彼が
盲目にもかかわらず、何でも
知っているように話すことを
奇妙に感じていた。さらに進む
と杉の根に着き、私は思わず
留まった。すると、子どもが
私に百年前に殺されたと言い、
私は自分の罪を思い出した。
その途端、子が急に石地蔵の
ように重くなった。
この「子殺し」のテーマはかなり重
い内容だと思われるが、生徒の反応は
意外にも悪くありません。それは現実
の世界でも、親の子殺し事件がニュー
スとなる場合が多いため、若い人の
関心度が高いためでしょう太字の箇所
では、O君の中学3年の要約文にはみら
れない表現で、それがかなり上達して
いることの何よりの証拠だといえます。
❤O君の高3の要約文は、中3の
それと比べ、登場人物の関係
をよく理解していることが
わかります。そして、「子殺
し」という思いテーマに対し
て真正面から取り組んだ内容
となっており、若い人にとって
「原罪」考えさせる機会にも
なっているようです。
アナミズ (2024.09.25)
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