1991年1月10日（木）

【ル・ミディ：牛嶋　香織・村田　健・多田隈　五月・平　美優】
「今年もよろしくお願いしますね」
　今年初めて来店した牛嶋　香織と村田　健、多田隈　五月に向かって平　美優が笑顔で声をかけた。ここは喫茶店『ル・ミディ』。お昼過ぎの時間であり、数人の客がのんびりとランチを楽しんでいる。牛嶋と村田、多田隈の3人も午前中の鍛錬の後合流し、一緒にランチを食べにきたのである。当初は『南食堂』か『煉瓦亭』あたりで食べようと話をしていたが、3人ともまだ今年『ル・ミディ』に行ってないことが発覚したので、今年初『ル・ミディ』をすることにしたのである。
「こちらこそよろしくお願いします」
「お願いしますー」
　丁寧に返事を返した牛嶋の声の後に、多田隈の元気な声が店内に響く。これを聞いて平と村田は思わず笑顔を漏らした。
「じゃあ少しお待ちくださいね」
　こう言って平は店の奥へと戻っていった。料理が来るのを待つ間、年末から正月をどう過ごしたのかについて各自報告をする。牛嶋と村田は実家に帰って地元の友達と遊ぶぐらいであったが、多田隈は彼氏も宮崎に帰って来ていたので、久しぶりにゆっくりと彼氏と楽しい時を過ごしたようである。
「相変わらず彼氏は優しかったー」
「良かった良かった」
　でろでろの表情で多田隈が報告し、牛嶋がそれを聞いて感想を述べる。多田隈と彼氏の話は良く聞くのであるが、その時々ででろってたり不満を言ったりしているので、幸せそうなのであればそれに越したことはないのである。この後、料理が運ばれてきたので、食事を始める。今年も『ル・ミディ』の料理は美味しいことを改めて感じながら、楽しいランチタイムを過ごしたのであった。