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1991年6月3日(月)
【熊大迷宮:黒髪てへろく部隊】
「とりあえず罠は外せました。いつでも地下4階に降りれます」
先ほどから地下4階に降りる階段の罠を解除していた富田 剛は大きく息を吐いた後、こう報告した。ここは熊大迷宮地下3階。本日階段を降りて南西側にある地下4階に降りる階段の罠を解除できるかどうかを確認に来た黒髪てへろく部隊であるが、富田が無事解除に成功した。これで地下4階に降りることが物理的に可能になったのである。
「とみたん。素敵ー」
「おう、富田素敵やな。GJ」
多田隈 五月の叫びの後で、原田 公司が称賛する。
「でもまあ、まだ早いかな。もうしばらくサラダバーと遊んであげるかね」
そう言いながら前田 法重はサラダバーの部屋へ進むことを指示する。通路を進みながら、思い出したように富田が話を始める。
「そういえばめいちゃん爆発の次の魔法が使えるようになったらしいですよ」
「あ、そうだった。忘れてた」
報告を受けて前田は一旦足を止める。その後、全員が立ち止まって多田隈の言を待つ。
「以前も話したと思いますけど、爆発の次の呪文が大爆発と吹雪と殲滅ってやつで、めい、この中で吹雪が打てるようになりました」
そう聞いて全員が頷いていたが、正直吹雪という呪文の想像が出来ないので、反応が難しい。
「じゃあ、帰りに試してもらおうかな。地下1階あたりで」
「了解です!」
敬礼のポーズをとって多田隈は前田の言葉に返事を返した。この後、しばらくサラダバーと戦闘を行い、帰る途中吹雪の呪文を試した。試した結果わかったのは、その呪文が明らかに爆発より威力があること、寒いこと、唱えた後の多田隈の疲労が半端ないことである。今後の使い道については前田と原田に任されることとなり、本日の探索を終えることにした。