1990年4月25日(水)
【魔術師鍛錬場】
「あ、やっと出た。待ちに待ーてたやっと出た」
右手の人差し指に発現した光を見て吉川 元気はヤットデタマンのエンディングを口ずさんだ。午前中の魔術師鍛錬場、2期で唯一まだ指先の光の発現の課題をクリアしてなかった吉川がついに課題をクリアしたのである。
「おお、本当やっとやな。おめー」
黒田 颯太がそういいながら吉川の肩を叩き、一緒に鍛練していた江村 香奈美、潘 小百合、上村 静枝も祝福の声をかける。これで魔術師2期生は全員指先の課題をクリアしたことになる。
「吉川君おめでとう。さて、全員指先の課題はクリアしたので、手のひらの光発言に全員で挑むことになります。指先と手のひらはまた勝手か違うから意外と吉川君が一番早くクリアするとかもあるかもなので、みんなで切磋琢磨しましょう」
太田黒がそう言ったので、2期生達は鍛錬へと戻り集中を始める。先ほどの太田黒の言葉は吉川のモチベーションを保つために発した太田黒の優しさだったので、この後手のひらの課題を吉川が一番初めにクリアするということは太田黒も予想していなかった。
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