1991年1月15日(火)
【罠解除士鍛錬場:大塚 仁・山之内 恵・南 幸四郎・中元 加奈・笹本 真奈美・山口 可奈】
「いよいよ今週末は迷宮に行けるかどうかの判断を下します」
3期生全員の顔を見渡しながら山口 可奈が言葉を発した。ここは罠解除士鍛錬場。本日も3期生全員と数人の罠解除士が鍛錬を行っている。3期生の修了判定日を1月18日に控えて、最後の追い込みを行うように山口が発破をかけたのである。とはいえ、3期生は全員昨年中に両手での光発現を成功させ、亜獣探知能力も全員ある程度のレベルに達しているので、すでに合格が決まっているようなものである。
「まあ、正直なところは迷宮に入ってみないとわからない所もあるけど、残りの期間は特に亜獣探知レベルの上昇と、簡単な罠解除の鍛錬を行って、迷宮探索に備えてください」
山口の言葉に3期生たちは全員が頷き、大塚 仁、山之内 恵、南 幸四郎は亜獣探知のレベルを上げるべく集中し、中元 加奈と笹本 真奈美はお互いに作った罠を解除する鍛錬を行う。その姿を見て山口は優しく微笑んでいた。