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1991年7月3日(水)

【子飼:立石 啓二・富田 剛・嶋本 麗華・菊川 小絵・多田隈 五月・本田 仁】
「えー、本日は私の誕生日会ということで集まっていただきありがとうございます。では私と池乃 めだかさんの誕生日を祝してカンパーイ」
 立石 啓二の乾杯の合図とともに、誕生日会がスタートする。誕生日のことをすっかり忘れていた富田 剛は全ての段取りを昨日1日で済ませ、何とか間に合わせることができた。とりあえず全員と杯を重ねた後、立石のところへ向かう。
「またしばらく年上やな」
「富田の誕生日までは立石さんとお呼び」
 毎年繰り返すようなやり取りを行い、2人は杯を重ねる。この後は立石の中学時代や、高校時代について、菊川 小絵と嶋本 麗華から色々と質問されたので、それに答えている。それを聞きながら富田も昔のことを思い出したりする。
「とみたんと立石君って中学の同級だったっけ」
「そう。同級って言っても一緒に遊んだりしたのは1年ぐらいだけどね」
 多田隈の質問に富田が答える。その後、本田 仁にも質問してみる。
「本田君とかは中学時代はどんな感じだったの?」
「俺っすか?特に何もないっすよ」
 ビールを飲み干しながら、いつものようにクールに返事を返す。この後しばらく何てことない話で適当に突っ込んだり適当に笑ったりしていたが、多田隈が思い出したように口を開く。
「そういえばとみたんプレゼント渡しとけば」
「あ、そうや。立石君。プレゼントあるよ」
 そういって富田はカバンから何やら取り出す。昨日多田隈と一緒に街に行って何にしようか悩んだ挙句、何も浮かばなかったので立石所持のPCエンジンのゲームソフトをプレゼントすることにした。
「あ、ゲームなんや。ありがとう」
「面白いかどうかはわからんけど、とりあえず買ってきたからあげる」
 富田が渡したのは[爆伝 アンバランスゾーン]というゲームであり、赤塚 不二夫や爆風スランプが製作陣に入っているというアドベンチャーゲームだ。富田の直感では面白いと思うゲームであったが、後日立石は面白くはなかったとの感想を述べたらしい。

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