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1990年10月30日(火)
【熊大迷宮:悪魔の花嫁部隊】
「いやー、正直やばかった」
久米 直樹に回復を行なってもらいながら柏原 隆一郎がこう口にした。ここは熊大迷宮1階。本日探索を行なっていた悪魔の花嫁部隊は亜獣と4回戦った後、入り口へ戻る途中で4体の白狐と2体の盗賊と遭遇した。罠解除士の山村 静香が亜獣の存在を伝え、隊長の大野 賢太が的確な指示を出す。通常であれば何の問題もなく倒せる相手だったのだが、柏原が戦いの最中で両手剣をぶん投げるという戦士にはあり得ないミスを犯してしまったのた。動揺した柏原は対峙していた盗賊の剣を避けきれずに数発くらってしまったが、大野と佐々木 雫のフォローで何とかそれ以上のダメージを負わずに済んだ。
「戦士が剣を投げるかね」
「ちょっとありえないですよね」
多少失笑気味に大野と佐々木が柏原に声をかける。
「正直すまんかった。反省します」
神妙な面持ちで柏原が2人に言葉を返した。
「まあ、今日のはきちんと反省するとして、次からの戦いに生かしましょう」
可愛らしい笑顔を浮かべて江村 香奈恵がこう口にした後、ちょうど柏原の回復と山村のレア物質の回収が終わったので、大野は入り口へ向かうように指示を出した。