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1990年6月4日(月)
【熊大迷宮:黒髪てへろく部隊】
「皆様、大変お待たせいたしました。本日ついに富田、解除に成功いたしました」
階段の罠の解除を行なっていた富田は後ろを振り向き大きな声でこう言った。熊大迷宮を探索している黒髪てへろく部隊は迷宮に入ってまずこの階段にやってきた。富田が罠を解除できるかどうかを確かめるためだが、ついに罠解除が成功した。
「おー、富田GJ」
前田 法重が富田の肩を叩きながらこう言い、川崎 志郎、原田 公司、大石 泰三、菊川 竜二も右手でGJのサインを出している。
「さて、ではどうする?ってもちろん降りてみるよな」
川崎の言に全員が頷いて同意を表す。そこで川崎は先頭に立って階段を降りることにする。
「ここが、地下2階か」
「一段と空気が重いですね」
階段を降り終えた川崎が口にした言葉に原田がこう続ける。
階段を降りると狭めの部屋のような場所で、左前方に通路が見える。
「前方から亜獣きます。6体です」
「お、地下2階の初先頭やな。みんな戦闘準備!」
亜獣の接近を探知した富田が叫んだ言葉を聞いて、川崎が戦闘準備を指示した。奥から出てきたのは、巨大なねずみのような亜獣が4体と色が赤いスライムが2体である。
「殲滅!」
「催眠!」
大石 泰三が殲滅を実施し、菊川 竜二が巨大なねずみに催眠を唱えた。大石の殲滅は効果を発しなかったが、催眠によって巨大なネズミは4体中2体が動きが止まる。
「法重と原田は起きてるネズミ頼む。俺がスライムと寝たネズミ倒す」
そう言って川崎はまずスライムに向かい、スライムを殲滅する。巨大なネズミと対峙している前田と原田はネズミの攻撃を適切に対応できている様子で、1対1では敵ではないようだ。前田と原田がネズミにとどめを刺したタイミングで川崎が眠ったネズミを仕留め、戦闘が終わった。
「ではレア物質回収します。近くに亜獣はいないっす」
そう言って富田がレア物資の回収を始めたので、残りの5人で探索の継続をどうするか話し合う。とりあえず今ぐらいの亜獣なら問題なさそうなので、もう少し探索を続けることに決めた。富田がレア物質の回収を終えたので、川崎を先頭に通路を進んでいく。通路を進むと付き合たって左に曲がる道と目の前に扉が現れる。その扉の奥には4体ほどの亜獣がいるようである。
「扉に罠はありません。開けるのは大丈夫です」
調べた後で富田がこう言ったので原田がドアを蹴破った。するとそこには4体の亜獣がおり、冒険者達に気づいた。
「汚物は消毒だー」
何かおぞましい姿をした亜獣がハイテンションで叫ぶ。
「殲滅!」
「催眠!」
大石が殲滅、菊川が催眠を唱えると亜獣がそれに反応した。
「何!?チックショー」
4体の内2体が大石の殲滅で崩れ去り、残りの2体は逃走した。それを川崎、前田、原田、富田は呆然と眺めていたが、何か嫌な感じがしたので、本日はこの戦闘で鍛錬を終えた。