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1990年9月18日(火)

【子飼娯楽センター:吉川 元気】
「そろそろやめようかな」
 未練打ちをしながら吉川 元気が静かに言葉を漏らした。ここはパチンコ屋『子飼娯楽センター』。17時を少し回った時間であり、店内は多くの客で賑わっている。本日午前中は魔術師鍛錬場で鍛錬を行った吉川であったが、本日大学の講義もなかったので午後から暇を持て余す。自室でパソゲーをしながら時間を潰すのも一興であったが、湧き上がるギャンブル魂を抑えることができずに『子飼娯楽センター』にやってきたのである。13時ぐらいに店に着くと、意外と客が多く、あまり出そうな台は残っていなそうな状況であった。このような場合、勝ちにこだわるのであれば打たずに帰るという選択肢が正解であるが、これが出来るパチ打ちはあまりいないであろう。もちろん子飼橋を渡れば『ニュー富士』があるので、そちらに移動するのも手ではあるが、店内を見て回ると何とかなりそうな台が見つかったので、吉川はその台に座ることにした。座った台は“フィーバーフラッシュSP”という台であり、ドラム式のフィーバー機である。保留玉1個めに連チャン機能があるので、大当たり後の1回転目は非常にワクワクできる仕様である。結局吉川はこの台を4時間ほど打ち続け、7000円投資で、現在3000発ぐらい球を所有している。換金率は2.5円なので、ほぼトントンというところだ。
「帰ろう」
 先程の大当たりの後100回転を回したところで打つのをやめた吉川はタバコを1カートン交換して残りは換金し、『紅丸』で夕食を食べて自宅へと帰ったのであった。

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