1991年8月13日（火）

【僧侶鍛錬場：福田　清人・五十嵐　冬美・中田　吾郎・沢田　楓・黒澤　祭・加藤　愛奈】
「楓お先ー」
「きーくやしい」
　少しバカにしたような黒澤　楓の言葉に、地団駄を踏みながら沢田　楓が叫ぶ。ここは午前中の僧侶鍛錬場。本日も多くの僧侶が鍛錬を行っている。光球発現の次の課題である白色球の発現について、すでに福田　清人・五十嵐　冬美・中田　吾郎は昨日までに成功しており、黒澤と沢田が次はどちらが出来るかを日々競争していたのである。
「黒澤さんおめでとう。後は沢田さんだけかな」
　4期生の鍛錬を見守っていた加藤　愛奈が黒澤を祝福する。黒澤もそれに礼を返した。
「沢田さんも後少しだと思うから、あまり焦らずにね。修了判定まではまだ充分時間があるわ」
「わかりました。修了判定までにはきちんと出来るように頑張ります」
　加藤に励まされて少し心の動揺が落ち着いた沢田は笑顔を浮かべて決意を述べ、再び鍛錬を開始した。