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1990年7月27日(金)

【罠解除士鍛錬場:富田 剛・四谷 謙詞・真田 美和・山村 静香・扇 開次】
「いててててててて」
 右手で腰をさすりながら富田 剛は立ち上がる。午前中の罠解除士鍛錬場。本日は富田、四谷 謙詞、真田 美和、山村 静香、扇 開次が鍛錬に訪れている。迷宮地下2階に罠解除できない扉があるので、富田は罠解除装置のレベル3クリアを目指して鍛錬しているが、まだ解除できず朝から数回吹っ飛ばされている。
「富田君でもまだ厳しそう?」
 真田と罠解除の鍛錬を行なっている四谷が富田に声をかける。真田も気になっている様子だ。
「レベル3に初めて挑んでから2ヶ月近く経ってるので、流石に罠の仕組みは理解できるようになったけど、最後のところがなぜかうまく外せないんだよね」
 首にかけたタオルで額を拭きながら富田はこう述べる。吹っ飛ばされるのもそうだが、そもそもレベル3の罠を解除するだけでもかなりの体力を消耗する。かなり疲れているが後1回ぐらいは今日チャレンジしようと考えている。
「何かすごいわね。富田君って」
 扇 開次と一緒に気配探知の鍛錬を行なっている山村 静香がこう口にする。山村と扇も本日朝から鍛錬を行なっており、朝から機械に数回吹っ飛ばされている富田を見ている。
「とりあえず目の前にミッションがあるとクリアしないと気が済まない性格なのかな。でもレベル3クリアしたらレベル4以降もあるので果てしないんだけどね」
 そう言いながら扇は一旦気配探知をやめ、飲み物を飲むために椅子へと向かった。

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