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1991年2月28日(木)

【道:前田 法重・原田 公司・富田 剛・谷口 竜一・大塚 仁・本田 仁】
「で、どうしてこうなったんですか」
「いやー俺もよくわかんないんだよね」
 多少呆れた表情を浮かべながら原田 公司が発した言葉に、前田 法重が首を傾げながらこのように話す。ここは居酒屋『道』。木曜日なので客も少なく、多少落ち着いた雰囲気となっている。本日冒険者組織では本日退所する4回生9名の送別会が実施された。豪華な食事と豪華な飲み物、各部隊の出し物で会は大いに盛り上がる。その後、退所者達への贈ることば、退所者達から残る冒険者達への激励と、感謝の言葉が語られ、会はしんみりとし、各所で涙を流す姿が見受けられる。その後、退所者代表である大石 泰三の決意の言葉の発表で参加者達は大感動し、再び多少盛り上がった雰囲気で会が進んでいく。その後、各部隊の隊長や副隊長が集まり部隊の再編成が行われる。その様子を全員で見守っていたが、結果再編成された部隊についてその場では何も言わず、今ようやく疑問を呈したのである。黒髪てへろく部隊は僧侶の大石と魔術師の菊川 竜二が退所となるので、ここに2名新メンバーが入るのは想定していた。再編成の結果、僧侶には村田 健、魔術師には多田隈 五月が入ることとなった。これについては問題ない。
「いやー、右田さんがどう見ても前田君は隊長でしょう?何で隊長しないのって言われて、うちには志郎がいるからっていったら隊長2人もいらんじゃんとか船頭多くして船山に上るとかいわれて」
 こう話しながら、前田はお猪口の日本酒をグイッと飲み、谷口 竜一におかわりをついでもらう。
「で、うちの部隊は隊長がいなくなるから前田君うちに来なさいよって言われたけど、いやだっていったらじゃあってことになって」
 そういうことかと原田、富田 剛、谷口、大塚 仁、本田 仁は理解した表情を浮かべる。
「納得はしてないですが、右田さん相手だったら仕方ないかもですね。」
 戦士が川崎 志郎から牛嶋 香織に変わっている理由を理解し、納得はしてないが、諦めた表情を浮かべる原田であった。

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