1991年3月22日(金)
【熊大迷宮:小室ファミリー部隊】
「君が倉本さんかねー。やだやだ私は戦いが嫌いでねー」
目の前のブッチャーが消滅していくのを見つめながら倉本 華は大きく息をはく。ここは地下迷宮地下1階。小室ファミリー部隊は本日もブッチャーの部屋を訪れ、倉本がブッチャーから戦闘を拒まれるようになった。
「倉本さんおめでとう」
「さすがやね」
同じ戦士である三木 浩司、東堂 静馬が賞賛の意を伝えて、扇 開次と神田 多香美、黒田 颯太も拍手をすることで祝福している。それに対して倉本は笑顔と礼によって気持ちを伝える。
「さて、俺も続くぜ」
そういって三木がブッチャーを出現させる。もちろんブッチャーは戦う気満々であるが、先ほど倉本がブッチャーをクリアしたことで、クリアに必要なラインというのが漠然とではあるがわかるようになった。いつもより集中してブッチャーと対峙し、今までで一番被弾を抑えられている感覚がある。また、以前よりも喰らってしまった攻撃に対して、こうすれば避けれるというのが見えるようになっている。結果いつもよりも明らかに短い時間でブッチャーを撃破した。
「おー、成長してる。俺も負けてられん」
気合を入れて東堂もブッチャーと戦ったが、東堂はいつもと変わらず、いつのもように被弾しつつ、いつもと同じ時間をかけてブッチャーを殲滅した。この後三木と東堂は2回ずつブッチャーと戦い、本日の探索を終えることにした。