見出し画像

1991年1月29日(火)

【戦士鍛錬場:三木 浩司・東堂 静馬・倉本 華・北村 知子・田村 美樹・大倉 祐一】
「確かに華は急に強くなったよね」
「そうなんですよ。敵わなくなりました」
 戦士の実力比較について北村 知子が発した言葉を聞いて、三木 浩司が感想を口にした。ここは午前中の戦士鍛錬場。本日もたくさんの戦士が鍛錬を行っている。小室ファミリー部隊の三木、東堂 静馬、倉本 華と彼女が水着に着替えたら部隊の北村、田村 美樹、大倉 祐一の6人は朝から一緒に鍛錬を行っており、何度かの模擬戦を終えて休憩中である。そして現在は最近の模擬戦の状況について話し合っているのだ。戦士の防御方法は大きく分けて避けると喰らう、受けるの3種類あるが、両手剣が使えなくなるという理由で現在受けるを選択しているものはいない。また、喰らうについても現状1期の原田 公司だけなので、他の戦士は全て避けるを選択しているのである。その避けるを細分化すれば、基本に忠実に回避行動を行うタイプと、敵の攻撃をミリ単位で見切って避けるタイプ、敵の攻撃を予知して事前に回避するタイプに分けられる。1期の冒険者であれば川崎 志郎が基本に忠実なタイプであり、村川 慎太郎がミリ単位で避けるタイプ、そして右田 良子が攻撃を予知するタイプとなる。2期の戦士達はほとんどが基本タイプとなっており、数名がミリ単位で避けるタイプで倉本だけが攻撃を予知するタイプで戦っている。
「攻撃が当たる気がしないんだよな」
「イコール勝ち目がないと」
 正直な感想を東堂が口にし、その言葉を聞いて田村が結論づけた。亜獣戦にしても模擬戦にしても攻撃が当たらなければ勝つ可能性は0なのである。
「そんなに余裕はないですよ」
 勝てないと言われた倉本が軽く笑いながら返事を返す。確かに最近の模擬戦の結果だけを見ればそう言われても仕方がないが、予知を信じて回避行動を行うのはある程度のリスクと覚悟が必要なのも確かなのだ。この後は休憩を終え、再度模擬戦を開始する。倉本は大倉を相手にしたが、先程の話にあるように大倉の攻撃を全て回避して結果としては圧勝したのであった。

いいなと思ったら応援しよう!