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1991年6月24日(月)

【熊大迷宮:黒髪てへろく部隊】
「やっぱり1周でしたね」
「不明な扉も4つしかなかったな」
 原田 公司の言葉に前田 法重が続ける。ここは熊大迷宮地下4階。本日黒髪てへろく部隊はとりあえず地下4階の大まかな作りを把握すべく、途中にある扉を一旦スルーして、通路を進んでみることにした。通路は階段から降りて東に進むと、一つ左側の扉を過ぎたあたりで北側に曲がる。北側に進むと、左側に2つ扉があり、それを過ぎてしばらくすると突き当たって西側に曲がる。通路を進むと特に扉は見つからず、今度は南側に曲がる。そのまま進むと左に1つ扉があり、それを通過すると通路が東側に曲がり、しばらく進むと地下3階から降りてきた階段部分に着いたのである。
「道すがらに下に降りる階段はなかったので、どこかの扉開けたら階段なんですかね」
「まあ、開けてみれば分かるよ」
「そうだよー」
 富田 剛の発言に村田 健と多田隈 五月が思っていることを答える。
「とりあえず、扉を3つ開けるかね」
 前田はそう言って探索の開始を告げた。本日通路で出会う亜獣が少なく、扉の奥の亜獣もそこまで強くなかったので、今まで開けてなかった3つの扉を全て開けることが出来た。3つの扉とも、開けると小さな部屋になっており、いつものように亜獣と収納があったが、どこにも階段は見当たらなかった。
「階段なかったっすね」
「地下4階で終わり?これで終わりだったら何かあっけない気がしますが」
 原田の言に富田が納得いかない表情で言葉を発する。しばらく全員で考えていたが、前田がエレベーターのことを思い出したので、本日は探索を切り上げ、次回エレベーターを確認することに決めた。

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