1990年7月21日(土)
【森の小径:右田 良子・判 祐市・佐々木 雅美・葵 さくら・滝 早苗】
「さくらと早苗もいよいよ探索だねー」
左手に持った紅茶の匂いを嗅ぎながら右田 良子がこう口にした。午後1時半の喫茶店『森の小径』。本日のパスタを食した後で、アフタヌーンティーを楽しんでいた右田、判 祐市、佐々木 雅美であったが、葵 さくらと滝 早苗がやってきたので、一緒に午後のひと時を楽しむことにした。テーブルが5人座ると少し狭いので、判はカウンターに移り、コーヒーを飲みながら小説を読んでいる。昨日最終課題が終わり、2期生全員が合格したことを葵が告げて、右田が口を開いたのである。
「本当いよいよです。多分私たちの部隊が2期では一番総合力高いと思うから、大丈夫だと思いますけど、万全の準備をしてから探索する予定です」
葵が向かい側に座っている右田と佐々木 雅美に向かってこう話す。それを聞いて右田が口を開く。
「地下1階については1期のメンバーでほとんど探索が完了しているので、しないといけないことはほぼほぼ決まっているわ。罠解除士の富田君が熊大迷宮探索ガイドっていうのを作って会議室に置いてるから探索の前には目を通しておくといいわ」
葵と滝を見ながら真剣な表情でこう述べた右田は、左手で持った紅茶のカップを口元に運んだ。
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