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1991年5月17日(金)

【熊大迷宮:黒髪オラトリオ部隊】
「君が谷口君かねー。かかってきなさい」
「これか!」
 谷口 竜一がカエルの彫像を移動し、ブッチャーを出現させた時に、本田 仁が何やら大きな声で叫んだ。ここは熊大迷宮地下1階。本日黒髪オラトリオ部隊は地下1階のボス扱いであるブッチャーと戦うためにここブッチャーの部屋を訪れた。誰から戦うか思案した後、ここはやはり1番安定感のある谷口が戦うことに決めたのである。
「谷口頑張れ」
 同じ戦士の山村 三平太と宮川 勘太は、この後ブッチャーと戦うので、真剣にブッチャーの動きを観察しつつ、谷口を応援している。ただ、後衛の3人は特にすることがない。
「本田、さっきのこれか!って何?」
 大塚 仁が先ほどの本田の言葉について疑問を述べる。広巡 聡も気になっているようだ。
「この前、富田さんとじーじさんと一緒にめいさんを宮崎に迎えにいったんだよ。その時にめいさんのお父さんにあって、君が富田君かねって言われてて富田さんが爆笑してたんだよね。俺意味わからなかったけど、今わかった」
 そういうことかと大塚と広巡は納得する。
「それにしてもめいさんのお父さんは本当に前田さんに似てて、あ、やばい思い出したら笑いが止まらん」
 そう言いながら本田が爆笑しているところにブッチャーに勝利した谷口が多少のダメージを受けて帰ってきた。谷口は広巡に回復をしてもらうが、自分が戦っている間に理由はわからないがなぜか爆笑している本田に激昂した。その後、理由を話しながら本田が猛反省したので許してあげることにした。

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