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1991年7月9日(火)
【魔術師鍛錬場:本田 仁・菅野 芳江・鈴川 博之・田山 美智子・太田黒 佳美】
「ふむう。こういうことか」
「あ、本田君おめー」
光球が爆発したのをみて、本田 仁は言葉を漏らし、いの一番にそれに気づいた菅野 芳江が大声で祝福する。ここは午前中の魔術師鍛錬場。本日も多くの魔術師が鍛錬を行っている。3期の4名は課題である光球の爆発の成功に向けて本日も鍛錬を行っていたが、本田がそれに成功した。1期の藤原 静音と比較して2ヶ月ほど早い成功となる。
「いやー、おめでとう」
「何というか。まあおめでとう」
何か呆れた感じで鈴川 博之と田山 美智子も祝福する。本田はそれに答えたが、何やら魔術師鍛錬場全体がざわついているのに気づく。どうも1期生も2期生も自分がどのタイミングで爆発が出来るようになるかを気にしていたようだ。そうこうしていると、4期の指導を行っていた太田黒 佳美がこちらに向かってくる。
「本田君。爆発成功おめでとう。早い成功を期待していたけど、期待した以上に早かったわ」
驚きが混じった笑顔を浮かべて太田黒が祝福し、本田はそれに答える。ただ、実際に爆発に成功した感覚だけで言えばもっと早く出来ていてもおかしくなかったような感覚がある。ただ、それを本田は口にはしなかった。
「次は大爆発と吹雪と一掃ですよね。まあ部隊的にまだそこまで必要ではないですが、今後何があるかわからないのでなるはやで出来るようになるように頑張ります」
本田は太田黒に向かってこのように決意を口にしたが、それを漏れ聞いていた一部の2期生達は違いなく抜かれることを覚悟せざるを得なかった。