1990年11月1日(木)
【黒髪祭:前田 法重・原田 公司・谷口 竜一・大塚 仁】
「ではまだ少し早いですがカンパーイ」
前田 法重の乾杯の音頭で本日の飲み会がスタートした。本日から3日間熊本大学では学園祭が行われ、それに伴い冒険者組織も休業となっている。今年も某サークルRでテントをたて、名目的には駄菓子を販売している。昨日の夜は富田 剛、本田 仁と朝方までここで酒を飲み、そのまま眠った前田であるが、13時過ぎに目を覚まし、テント内でゲームを行なっていた原田 公司と谷口 竜一、大塚 仁と一緒に飲むことにしたのである。
「早いのはまあいいですが、前田さん起きていきなり酒飲んで大丈夫ですか」
「今日は別に鍛錬もしないから大丈夫じゃね」
体を気遣った原田の言葉であったが、その真意は前田には伝わってないようである。
「そういえば富田と本田どうしたんかね。昨日朝がた俺が寝るまではいたんだけど」
「えー、俺が9時ごろに来たんですけど、もういませんでいたよ」
「そうか、スタジオにでもいるのかな。まあいずれ戻ってくるか」
大塚の言葉に、そう返した前田はぐい呑みに入った日本酒を飲み干し、新しい一升瓶に手を伸ばした。