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1991年3月1日(金)
【某サークルO部室:小林 みゆき・伊達 美樹・渕上 幸太郎・河本 多喜二】
「まあ、しゃーないやん」
「しゃー・・・ないっすかねえ」
少し落ち込んでいる男性陣2人に小林 みゆきが声をかけて、それに渕上 幸太郎が言葉を返した。ここは某サークルO部室。渕上と河本 多喜二は午前中は鍛錬場で鍛錬を行い、鍛錬終了後は入り口で待ち合わせて一緒に『北食2階』に移動する。そして昼食を食べた後で某サークルOの部室にやってきたのである。するとそこには小林と伊達 美樹も存在しており、昨日の送別会や、新しい部隊編成の話になったのである。ちなみに小林と伊達は卒業後は関東圏の企業に就職することになっており、25日に行われる卒業式の後で移動する予定である。それまでの間はまだ熊本にいるが、2週間ぐらいは数人の友人たちと一緒に卒業旅行で海外に行く予定である。今日部室にやってきたメインの目的は荷物整理であり、長年某サークルOの部室に置きっぱなしにしていた私物の中で必要なものを引き上げに来たのである。なので先程までは部室内を片付けつつ、物を物色していたが、渕上と河本がやってきたので整理作業は一旦中断しているのだ。
「1期と2期の人数構成的にどうしてもこうなりますかね」
「まさか3期と組むわけにもいかないでしょう」
ため息をつきながら河本が言葉を発して、それに伊達が感想を述べた。今回の部隊編成で私をスキーに連れてって部隊は小林、伊達、千場 恵梨の3人が卒業と共に引退することになり、本来であれば3人を舞台に補充するのであるが、人材が足りないことにより補充できたのは戦士の坂木 雅幸だけになってしまったのである。なので部隊人数が4人となり単独では探索が出来なくなってしまった。
「しばらくはヘルプ借りて」
「また次の編成を待てばいいよ」
結論として今後の部隊の方向性を小林と伊達が口にする。どれだけ考えても取れる手はこれしかないので、妥協するしかないのだ。こう言われた渕上と河本は納得は出来ないものの、なんとか気持ちを抑えて前向きに考えることにしたのであった。