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1990年12月31日(月)
【スタジオ:原田 公司・富田 剛・本田 仁】
「結局今年はカウントダウンはスタジオですか」
「まあ、今年も世話になりましたからね」
「俺たちの聖地ですもんね」
原田 公司の言葉に富田 剛と本田 仁が続けた。ここはゲームセンター『スタジオ』。年末年始も実家に帰らず黒髪に残っている大学生達のために休まずに営業を行ってくれている。また、営業時間も通常は24時までであるが、本日は大晦日ということもあり、25時までの営業となっている。本日も朝から『スタジオ』に集合し、途中『長崎チャンポン』を挟んで、ほぼ1日中『スタジオ』に滞在している。今年一年の締めくくりとして、今年1年楽しませてくれたゲームを感慨深くプレイしていたのだ。「ゲイングランド」、「パロディウスだ!」「マジックソード」「スノーブラザーズ」「ボナンザブラザーズ」「ダークシール」「ピストル大名の冒険」などなど数々の名作を今年は遊び尽くした。その最後の締めくくりとして、カウントダウン前の23時半ぐらいから原田と本田は「ゲイングランド」、富田は「パロディウスだ!」をプレイする。ゲイングランドのラスボスとパロディウスの最後のタコを倒し終え、時間はカウントダウン5分前となる。
「いやーいよいよですね。原田さん。本田君。今年もお世話になりました」
「こっちこそ。富田と本田とは結構一緒に遊んだよな。来年もよろしくな」
「来年も一緒に遊びましょう!」
今年最後の挨拶を富田、原田、本田の順番で行った後、カウントダウン20秒前となる。スタジオに集まったゲーマー達もお互いの顔を見合わせながらその時を待っている。
「あと10秒、9、8、7、6、5、4、3、2、1、明けましておめでとうございます!」
新年を迎えた喜びでゲーマー達は盛り上がり、大声で叫んだり、ハイタッチをしたりしている。ただ、所詮ゲーマーなので、ハイテンションもすぐに収まり、各々座ってゲームを始めた。
今年は3期生までが冒険者に加わり、迷宮も地下3階エリアの探索が始まった。少しずつ規模が大きくなっていく冒険者組織であるが、来年はどのようなことが待ち受けているのだろうか。ただただ悲しい事態が起きないことを祈りたい。