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1991年6月20日(木)

【戦士鍛錬場:葵 さくら・佐々木 雫・倉本 華】
「まだ、友達以上までは行かないけど、良い感じだとは思う」
 佐々木 雫の質問に対して、倉本 華は少し微笑みを浮かべながらこう答えた。ここは午前中の戦士鍛錬場。本日も多くの戦士が鍛錬に訪れている。鍛錬の休憩中に、佐々木と扇 開次の関係がどうなっているのかを佐々木が尋ねたのである。倉本は昨日午前中の鍛錬を行った後で、扇と一緒に映画を見に行き、夕食も共にした。初めてゆっくり2人の時間を過ごし、お互いの知らない部分や、趣味等が見えるようになる。知らない部分を色々と発見し、倉本の扇に対する気持ちは一段と強くなっている。おそらくではあるが、扇も自分に興味を持ってくれている感じはある。
「そかそか。良い感じならよかった」
 葵 さくらが満面の笑顔で倉本に声をかける。安心した葵は続けて佐々木に話しかける。
「ところで雫は何かそんな話はないの?」
「ないかな。まあ私は腐だしね」
 佐々木は率直に答える。佐々木はそっち系の小説や漫画を趣味にしており、なかなか自分と男性が恋愛するというイメージを持つことができない。中学生ぐらいまでは普通にクラスの男子を好きになることもあったが、高校生になったぐらいから今のような感じになってしまった。ちなみに愛読書は”JUNE“である。
「私は男子達を見ながら空想してるぐらいがちょうど良いかな」
 そういいつつ鍛錬を行っている男性を見つめつつ思わずニヤニヤする佐々木であった。

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