1990年8月1日(水)
【熊大生協:山村 静香・扇 開次】
ダンジョンダンジョンダンジョン〜ダンジョンダンジョンダンジョン〜ダンジョン〜だったら〜高収入〜
「懐かしい。もう半年経つのね」
例の音楽が耳に入り、山村 静香は静かに呟く。午前中の鍛錬を終えた山村 静香と扇 開次は昼食を熊大生協で取ることにし、熊大生協へと向かっていたが、熊大生協側から例の音楽が大音量で響き渡っている。いまや半年に一回の熊大の風物詩である。2人は生協食堂部に入り、山村はスパゲティナポリタン、扇はカツ丼を注文し、会計を済ませて席に座る。
「ところで開次の部隊はいつ頃になりそう」
「うーん。もう少し先になりそうかな」
山村が所属する悪魔の花嫁部隊は昨日初めての迷宮探索を行なっている。2期の部隊としてはマクラーレン黒髪部隊に続く2部隊目である。実力的に次にくる部隊が扇が所属する小室ファミリー部隊だが、部隊会議では迷宮に入るのはもう少し先という話になっている。
「まあ俺はいつでもいいんだけどね」
まるで他人事のような扇の呟きに何やらモヤモヤ感を感じる山村であった。