1990年12月24日（月）

【スタジオ：富田　剛・本田　仁】
「キュイーン」
　1面の敵を全部倒したニックとトムは目をパチパチしながら次の面へと飛んでいく。ここは19時を過ぎたゲームセンター『スタジオ』。本日はクリスマスイブではあるが、特に男性ゲーマーがアーケードゲームを楽しんでいる。スノーブラザーズの1P側に富田　剛、2P側に本田　仁が座って両手を目まぐるしく動かしている。
「富田さん何やってるんですか」
「ごめんごめん」
　そう言って富田はコンティニューボタンを押す。本田は基本的にゲームが上手なので、どのようなゲームもそつなく行うことができるが、富田はあまり上手く無いので、一緒にゲームを行うと富田がコンティニューで本田について行くという図式となる。何か少し悔しい気もするが、自分一人でやるときはコンティニューはしないので、普段進めない場所まで進めるというメリットもある。
「それにしてもクリスマスイブなのに何か寂しいのお」
「まあいいんじゃ無いですか？これ終わったら道に行きましょう」
　富田と本田は何気ない会話を行いながらスノーブラザーズを楽しみ、キリがいいところで道へ向かうことにした。