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1991年2月15日(金)
【戦士鍛錬場:前田 法重・川崎 志郎・右田 良子・村川 慎太郎・元木 美麗】
「ということで盛大に送り出したいので、金出してください」
「言い方」
意を決して前田 法重が口にした言葉に右田 良子が突っ込みを入れる。ここは戦士鍛錬場ラウンジ。大学卒業とともに引退する冒険者達が、2月末をもっての退所となるので、2月28日に盛大な送別会を組織中心でやって欲しいとの希望を元木 美麗に話していたのである。
「もともとそのつもりだったからその点は大丈夫ですよ。入所式と同じぐらいの予算は取れると思うので、料理もお酒も期待して良いレベルです」
笑顔を浮かべながら元木がこのように言ったので、全員が安堵の表情を浮かべる。組織でやってくれない場合は自分たちで何とかしようと思っていたのだが、今の規模の冒険者達全員での送別会を行うとなると会場を抑えるのも一苦労である。
「よし、じゃあ大丈夫だな。基本的には1期から3期まで全員参加で卒業する奴らを見送るとしましょう。あと、卒業する奴らが心配しないように、その日に部隊の再編も行いましょう」
このように前田が話し、川崎 志郎、右田、村川 慎太郎が大きく頷いた。