1990年6月14日（木）

【三木邸：三木　浩司・東堂　静馬】
「曲がいいなあ」
「いろいろとグレードアップしてるからね」
　ゲームをプレイしながら思わず言葉を漏らした東堂　静馬の言葉を聞いて、三木　浩司が返事を返した。ここは三木邸。本日午前中は戦士鍛錬場で鍛錬を行い、午後は大学での予定もなかったので、ランチを食べた後で三木邸に集まったのである。今2人は別々のゲームを行っている。三木はパソコンを持っており、ファミコンは持っておらず、逆に東堂はファミコンは持っているがパソコンを持っていない。なので東堂がファミコンを持ってきて、お互いにゲームを交換してプレイをしているのである。現在東堂が行っているのは“ザナドゥシナリオⅡ”であり、三木は“ドラゴンクエストⅣ“をプレイしている。東堂は前回まで1作目の“ザナドゥ”をプレイしていたので、特にそのBGMの違いに感動しているのである。
「とりあえずレベル10まであって、BGMが面ごとに違うんだよね。で、世間的にはレベル7が人気だけど俺はレベル2が好き。まあ全部聞いたら静馬もどのBGMが好みか教えてくれ」
　こう声をかけた三木は東堂が“ザナドゥシナリオⅡ”を楽しそうにプレイしているのに満足し、自分もドラクエⅣのプレイに集中することにした。ちなみに三木が所持しているパソコンはNECの PC8801mkⅡSRであり、高校入学時に、お祝いとして買ってもらった物とのことである。