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1991年4月1日(月)

【熊大迷宮:黒髪てへろく部隊】
「もう大丈夫だよ。完全復活ー」
 多田隈 五月が元気にこう叫ぶ。ここは熊大迷宮入り口。本日探索を行うべく集まった黒髪てへろく部隊だったが、土曜日の件もあり、多田隈が大丈夫なのかを確認したのである。大丈夫とは言っているが、から元気なのではないかと富田 剛は心配している。
「まあ、大丈夫というのであれば行きますか」
「めいちゃん無理しなくて良いからね」
 状況を把握した後前田 法重が探索を行うことを宣言し、原田 公司は多田隈を心配して声をかける。それに対して多田隈は笑みを返すが、どうもぎこちないようにも見える。迷宮に入った後、通路で出会う亜獣を難なく殲滅しつつ、地下3階へ降りる階段へと到達する。
「一応再確認するけど、地下3階に降りるってことで良いよね」
 確認のために前田が発した言葉を聞いて、部隊の全員が頷くことで意思を伝える。
「では罠解除します」
 富田はそう宣言して、罠の解除を始め、難なく罠を解除する。その後、前田を先頭に階段を降りたが、初めて地下3階を見る牛嶋 香織と村田 健、多田隈はその雰囲気に多少圧倒される。
「さしより南東部分を目指すで良いですかね?」
 富田の言葉に前田が頷きで答えたので、南東部分の扉を調べる。
「奥に亜獣。5体です」
「よし、原田」
「あいあいさー」
 前田の指示で原田が扉を蹴破る。部屋の中には戦士が3体と魔術師が2体存在している。
「無効」
「催眠」
 村田が無効、多田隈が催眠を唱えて、魔術師の2体は崩れ落ちる。
「良し、戦士倒すぞ」
 前田の檄で原田と牛嶋が気合を入れて戦士との戦いに挑む。が、1体1では所詮敵ではない。難なく戦士を撃破し、眠っている魔術師も消滅させた。
「回収します」
 富田が物質回収を行っている間に、ふと思い出したことを前田が質問する。
「ところでめいちゃんは爆発何発撃てるんだっけ?」
「えっと、多分2発だと思います。最近2発打ったことがないので3発目が撃てるかどうかわかりらないけど」
「了解。基本的に通常は爆発は使わないようにして、地下3階でまれに遭遇する本鬼にだけつかうようにして欲しい。良いかな」
「パパ、了解です!」
 そうこうしていると富田が物質の回収を終え、収納の罠の解除も終わらせている。それを確認した原田が蓋をあけて中身を確認するとレア物質があったのでそれを回収した。その後、前田は現状を確認し、探索の継続を告げた。

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