1990年7月7日（土）

【ル・ミディ：葵　さくら・佐々木　雫・倉本　華】
「それにしても急に強くなったわよね」
「本当驚き〜」
　葵　さくらの発言に佐々木　雫が続けた。ここは熊大黒髪キャンパスから立田山方面へしばらく進んだ場所にある喫茶店『ル・ミディ』。オシャレな内装と、落ち着いた雰囲気で熊大生に人気である。最近倉本　華の動きや剣さばきが急に鋭くなったことについて、葵と佐々木が言葉にしたのである。
「そうですか。そう言ってくれると嬉しいです。正直皆さんに全然敵わなくて落ち込んだ時期もあったので」
　そういって倉本はチョコレートパフェを一口運ぶ。2次試験が終了した時点でポイントでは明らかに自分は合格できないはずだったが、合格者の名前に自分の名前があったので正直驚いた。その後の鍛錬でも周りのみんなに全然敵わないと思いながらも自分なりに強くなろうと鍛錬してきたのだ。
「右田さんに1日鍛錬してもらう日があって、その日から戦闘スタイルっていうか戦い方を変えたからだと思います。右田さんからアドバイスをもらって、そのアドバイス通りに戦うと身体が思い通りに動くようになりました」
「ふーん。そうなんだ。どんなアドバイスされたの？」
　倉本の言葉に葵が疑問を投げかける。
「考えるな、感じろって言われました」
「ブルースやん」
　葵の質問に倉本が答え、それに佐々木がツッコミを入れたが、燃えよドラゴンを見たことがない葵と倉本には意味が解らなかった。