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1990年3月21日(水)

【子飼娯楽センター:富田 剛】
テーンテーテテーンテテーンテーンテーンテテーンテテーンテテーン
 ビッグボーナスを揃えた富田 剛は咥えていたタバコを一旦灰皿に置いて下皿にあるコインをドル箱へと詰め始めた。ここはパチンコ屋『子飼娯楽センター』。本日は春分の日で祝日ということもあり、朝から結構な客が訪れており、店内は盛り上がった雰囲気である。富田は昨日学部の同級生と酒を酌み交わして、いつものように教養部のソファーで朝まで寝ていた。そして目を覚ましたらちょうどパチンコ屋の開店時間だったので、そのまま『子飼娯楽センター』へやってきたのである。この店は店名でも分かる通りいかにも地元に根差したパチンコ屋で、近所のおじ様やおば様たちがのんびりと遊戯を楽しんでいる。また、近くに熊大もあるので、小銭稼ぎの大学生や、サラリーマンたちの遊戯場所にもなっているようだ。子飼橋周辺にはここ以外にパチンコ屋が2軒あり、すぐ近くにある『大阿蘇』と子飼橋を渡った先に『ニュー富士』がある。どちらかといえばここと『大阿蘇』は地域密着型で、『ニュー富士』は少し洗練されたイメージがあり、客層も意識高い系が多いイメージだ。ちなみに現在富田が打っている台は山佐の”スーパープラネット“である。
テーレーン、テーレーン、テーレーン
 3回目のボーナスゲームに入り、JACゲームのパターンを確かめる。すると今回は2−2−2回のパターンのようだ。別にそれが何になるわけでもないが、富田はこのパターンの時には左リール下段に土星、中リール中断に7、右リールは上段土星、下段7の形でボーナスを終え、リセットのために店員を呼ぶようにしているのである。

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