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1991年2月7日(木)

【南食堂:小林 みゆき・伊達 美樹・渕上 幸太郎・森 瑠美・千場 恵梨・河本 多喜二】
「何とか地下3階には進めるな」
「最終到達点は地下3階で確定だね」
 食後の紅茶を楽しみながら小林 みゆきが発した言葉を聞いて、伊達 美樹が返事を返した。ここは『南食堂』。お昼過ぎの時間であり、冒険者や理系学生がたくさん訪れて、昼食を楽しんでいる。私をスキーに連れてって部隊は午前中探索を行っており、地下2階のボスである天才を本日クリアに成功している。これで地下3階に降りれる権利を得たが、本日は天才を倒すのにかなりの体力を要したので、地下3階に降りるのは来週からという事にしたのである。
「一緒に探索するのも後2回ですかね」
「そう言われると何か急に寂しくなってきた」
 少し寂しそうに森 瑠美が言葉を漏らし、それを聞いて千場 恵梨が感想を口にする。今後の冒険者組織のスケジュールとして、今期で冒険者を引退するメンバーための大送別会が2月28日に行われる事になっている。この日は探索が中止と決められているので、探索日が木曜日である私もスキー部隊が探索できる日にちは2月14日と21日の2日間となるのだ。そして28日を持って4回生の小林と伊達、千場は冒険者を引退するのである。
「私らどうなるんだろ」
「他にも引退する人いるから部隊は再編されますね」
 3人が引退した後の冒険者活動ついて森が発言し、それに渕上 幸太郎が考えを述べる。自分たちの部隊以外にも引退するメンバーがいるので、残りのメンバーで部隊を再編する事になるのは容易に想像できるのである。
「まあ、なるようになりますかね」
 コーヒーを口にしながら河本 多喜二が漏らした言葉は他のメンバーには聞こえなかったらしく華麗にスルーされたようである。

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