1990年12月7日(金)
【六文銭:山川 洋・濱本 充・葵 さくら・滝 早苗・横山 凛・吉川 元気】
「いやー、なかなか面白かったよ」
「ちょっと微妙な反応かな」
評価が気になった滝 早苗の質問に対して、山川 洋は微妙な回答を返した。ここは居酒屋『六文銭』。金曜日でもあり、店内はなかなかの賑わいを見せている。マクラーレン黒髪部隊のメンバーも、特に理由があるわけでもないが、誰かが飲みに行こうと言い出したことから本日の飲み会が開催となっている。本日午前中は各自鍛錬場で鍛錬を行い、女性陣は3限もしくは4限の講義があったので、午後はそれを受講していたが、男性陣は本日午後から講義がなかったので、街中に映画を見に行っていた。見た映画は本日から公開の「ロッキー5」であり、山川も濱本 充も吉川 元気もロッキーの大ファンであり、喜び勇んで映画館に足を運んだのである。この3人がロッキー好きだというのは女性陣も知っていたので、映画の評価を聞いた返事はもっと興奮して面白かったと口にすると想像していたのだ。
「ちょっと予想していたのとは違ったかな」
「1〜4までと明らかに展開が違ったからね」
正直評価が難しいことを濱本が口にし、その言葉を聞いた吉川がその理由を説明した。男性陣3人は今まで何度もロッキー1から4を見ており、内容的に4で完結しているとは考えていた。そこでその続編となる今回の5は今までの流れ的にどのような話になるのかが全く想像ができず、その状況で視聴してみると、あまりにも思いもよらなかった話だったようなのだ。
「まあロッキーの話ばかりしてても男性陣しかわからんから別の話しましょう」
ジョッキのビールを一気に開けた後で、山川がこのように口にしたので、ロッキーの話はここまでとし、別の話題で盛り上がることにしたのである。