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1991年1月7日(月)

【桃花源:川口 耕輔・右田 良子・判 祐市・四谷 謙詞・佐々木 雅美・藤原 静音】
「またすごいところ予約とったわね」
「予定してたところ全部予約で埋まってた。ここしか思いつかんかった」
 多少呆れぎみで言葉を漏らした右田 良子に判 祐一はすまなそうに言葉を発する。ここは熊本キャッスルホテル内の中華料理屋『桃花源』。すごく高級な雰囲気が店中に漂っている。本日新年会を行おうと店を探していた判だったが、判が目星をつけていた店はことごとく予約が取れず、中華料理が食べれて宴会ができる場所として判が最終的に選択できたのがここ『桃花源』しかなかったのである。王家の紋章部隊のメンバーは本日の新年会がここであることを聞いていたので、いつもよりもフォーマルな服装で集合している。流石にジージャンジーパンだと浮いてしまうかもしれない。
「まあまあ、せっかくの新年会なので美味しい料理とお酒を楽しみましょう」
 そう言って店員の指示に従って藤原 静音が席に座る。その後、円卓を囲んで右田、判、佐々木 雅美、四谷 謙詞、川口 耕輔が椅子に座った。しばらくあたりを見渡したり、店の雰囲気を楽しんでいたが、店員がビールを持ってきたので、お互いにコップに注ぎ、乾杯の準備が整った。
「えー、では隊長の私が乾杯の挨拶をば」
 そういって川口がビールを手に取って立ち上がる。事前に判から乾杯の挨拶をして欲しいと頼まれていたのである。
「昨年は色々をお世話になりまた。今年も、といっても私は卒業なので、それまでの間になりますが、楽しく安全に探索をしましょう」
 その言葉を聞いて、全員がお互いの顔を見渡し、頷いた。
「それでは今日は美味しい料理とお酒を存分に楽しみましょう。カンパーイ」
 川口の乾杯の声が響き、新年会が始まる。一流点だけあり、運ばれてくる中華料理も1品1品びっくりするようなものばかりだったが、味は絶品であり、予算はかかったが、全員満足な新年会となったのである。

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