1990年7月17日(火)
【熊大迷宮:スター千一夜部隊】
「お兄ちゃーん。がんばれー」
後方から聞こえてきた多田隈 五月の応援の叫びを聞いて鈴木 圭介は気合を入れ直した。ここは熊大迷宮。スター千一夜部隊は本日もブッチャーの部屋を訪れている。戦士3人全員がまだ誰もブッチャーをクリアしたおらず、今日も順番にブッチャー戦を行う予定である。そして初めに戦闘を開始した鈴木に対して多田隈が声援を送ったのである。応援する際の呼び名であるが、多田隈は1回生であり、鈴木は3回生なので、お兄ちゃんと呼ぶようにしている。同様に2回生の牛嶋 香織を応援するときはお姉ちゃん、同級生の坂木 雅幸を応援するときは坂っくんと呼んでいるようである。ちなみに僧侶で3回生の林 真一郎は普段林さんと呼び、2回生の村田 健は健ちゃんと呼んでいるようだ。
「こなくそ!」
気合を入れた鈴木の一撃でブッチャーは消滅する。今回の戦闘ではほどんどダメージを喰らっていないので、いよいよクリアも現実味が帯びてきている。物質回収と回復が終わるのを待って牛嶋が口を開く。
「次は私いくね」
そしてブッチャーを出現させ、ほどなく消滅に成功した。この後は坂木がブッチャー戦を行い、3人ともほぼ苦戦はしなくなっているようである。そして後1回ずつブッチャーを倒した後で、本日は探索を終了することにしたのである。