風の色
風の色は、季節や場所よって違うようだ。
私が育った町は、爽やかな水色。
海からの風が吹く。
それが、山のみかん畑の花が咲き始めると、柑橘系の良い香りが混じって、ライムグリーンのような色になる。
夏の夕立のもとでは、一面、薄灰色に塗り替えられるが、時に光の色に染まり、七色の虹を見せてくれる。
苗が育った水田の上を走る風は、気持ちのよい黄緑色だが、注意して見てみると、白色が所々で顔を出している。
小さなお米の花だ。
それが秋には黄金色に染まる。
秋、夕焼けに染まる空を見ながら、田んぼの上をコウモリが飛んでいた。
あの時の風は、どこかくすんだ茜色に染まっていた。
赤とんぼが優しい風にのって、いつしか会いにきてくれたようだ。
冬、山は、かわいらしいみかん色の水玉色に模様替えしている。
さざんかが生け垣を薄紅色に染めていた。
冬の色は寂しい。
なんて、いったい誰が言ったんだろう?
やがて風に沈丁花の香りが乗り始めると、春はすぐそこに来ている。
満開の桜のもとでは、風の色さえ桜色に染まっているかのようだ。
あぁ、この世は美しい色で溢れている。
みなさん、おはようございます☀
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小牧さん、いつもお世話になります🙏
どうぞよろしくお願い致します😊💞