Pizza と お好み焼き
大阪生まれ育ちの私は、定期的にお好み焼きを食べたくなる。
イタリアのどこに暮らそうと、’行きつけのあの大阪の、お好み焼きが食べたい’
気持ちが、イメージがどんどん膨らむ。
お正月には、帰国するのが家族との約束。
やっとの思いで目の前には、あの恋しかったお好み焼き登場。
美味しい、とっても美味しい。
だけど、イタリアでイメージしていた時の味の方がいいのは、どうしてなのかな。
イタリア人、特にナポリの人たちは、ほぼ毎週土曜日に、必ずpizzaを食べるという人が多い。
Pizzaとお好み焼き、なんか似ているなあ。。
展示会で知り合ったお客様の中に、大阪から来られたバッグメーカーのご夫婦がいた。
私がお好み焼きが好きだと聞いて、帰国時にはぜひ、我が家に食べに来てね、とお誘いを受けて、遠慮なく伺った。
楽しいご夫婦のおもてなしは最高で、立派な鉄板もあり、おいしいおいしいお好み焼きをごちそうになった。
その時、奥様が言った ’毎回展示会を終えて別れる時に、あなたは一人でイタリアに残るのを考えると、なんだか不憫だったわ’。
’いえいえ、私は支払いも済んで、ルンルン気分だったんですよ’
なんてかわいげのない返事しかできない私。
彼女にとって、イタリアは遠い国なんだな、と思った。
優しい彼女は、一緒に過ごした数日間、私にシンパシーを感じてくれていたなら、それは私にとっても有意義な時間だったんだな。
また、フィレンツェでは、Pitti Immagine Filatiという、糸とニットの展示会で仕事に呼ばれた。
初めての分野なので、準備勉強をする。
会場には日本の有名な織機の会社の出店もあり、その素晴らしい先端技術を見ることができるのは、この仕事の役得。
商談も進み、お別れの時、お客様は日本で家庭菜園をされているとのこと、何かお勧めのイタリアの野菜はありますかと聞かれ、ズッキーニの種を後日送った。
そのことをもう、忘れてしまった数週間後、便りが届く。
展示会では大変お世話になりました、、、
ところで、
送ってもらったズッキーニは、見知らぬ国で、すくすくと元気に育っています、その成長を毎日楽しみに、応援しています、とその手紙には書いてあった。
そのお客様が喜んでくれたことを、嬉しく思う。
考えすぎかもしれないけれど、外国で頑張って仕事をしている私への励ましの言葉の様に思えた。
ありがとうございます、とその手紙に囁く。