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【小説】人工の島、人造の魂

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「ぼくたちは、あの《暗闇の雲》と戦わないといけないんだよ。この人工の島を守るためにね」……幼い私は、神戸港に浮かぶ人工の島、ポートアイランドで育った。「人造の魂」のマリンとポピア…
連載中から話題となった「人工の島、人造の魂」を、マガジン形式でお読みいただけます! 誰もが通過する…
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「人工の島、人造の魂」第2話(全11話)

    ★ 「わあ〜アメリカみたいやねえ」  と、幼い私は声を上げました。  明石の木造アパートから引っ越してきて、初めて高層マンションの七階の部屋へ入った時、ベランダの窓にはまだ黒い半透明のシートが掛けられていました。  その向こうに反対側のビルのてっぺんが透かし見えて、まるでテレビの中で見る「アメリカ」のイメージそっくりだったのです。  ここはアメリカじゃないよ、神戸だよ  と、誰かの声が笑って答えました。  それが母のものだったのか、曾祖母のものだったのか、あるいは誰

「人工の島、人造の魂」第5話(全11話)

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