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【小説】人工の島、人造の魂

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「ぼくたちは、あの《暗闇の雲》と戦わないといけないんだよ。この人工の島を守るためにね」……幼い私は、神戸港に浮かぶ人工の島、ポートアイランドで育った。「人造の魂」のマリンとポピア…
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「人工の島、人造の魂」第1話(全11話)

★  こんな歌があります。 「E! E! E!  E! E! E!」  RCサクセションではない。 「Eの形のポートアイランド〜」  と、続きます。    神戸港には、人工の島が二つ、浮かんでいます。  東の方が、六甲アイランド。  そして先に完成した西の方が、ポートアイランドです。  昭和56(1981)年、当時世界最大の人工島として、ポートアイランドは誕生しました。  神戸最大の繁華街・三宮と環状線のモノレールで結ばれ、コンベンションセンター、コンサートホール、遊園地

「人工の島、人造の魂」第2話(全11話)

    ★ 「わあ〜アメリカみたいやねえ」  と、幼い私は声を上げました。  明石の木造アパートから引っ越してきて、初めて高層マンションの七階の部屋へ入った時、ベランダの窓にはまだ黒い半透明のシートが掛けられていました。  その向こうに反対側のビルのてっぺんが透かし見えて、まるでテレビの中で見る「アメリカ」のイメージそっくりだったのです。  ここはアメリカじゃないよ、神戸だよ  と、誰かの声が笑って答えました。  それが母のものだったのか、曾祖母のものだったのか、あるいは誰

「人工の島、人造の魂」第3話(全11話)

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「人工の島、人造の魂」第4話(全11話)

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「人工の島、人造の魂」第5話(全11話)

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「人工の島、人造の魂」第6話(全11話)

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「人工の島、人造の魂」第7話(全11話)

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「人工の島、人造の魂」第8話(全11話)

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「人工の島、人造の魂」第9話(全11話)

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「人工の島、人造の魂」第10話(全11話)

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「人工の島、人造の魂」最終話(全11話)

    ★  E! E! E!  E! E! E!  Eの形のポートアイランド〜 「なに、その歌」  と、妻は眉をひそめる。 「知らないの? ポートアイランドの歌」 「何それ? 聞いたことない」 「じゃあこれは? ワ・ケ・ト~ンわけわけ~ わけるんやで~」 「それは知ってる。ワケトンダンスだ」 「じゃあこれは?」  あーかーいキーリンが うーみいを み・て・る  キーリンよ キーリンよ あーそぼうおうようおうおうおう 「もういいよ」  妻はそっぽを向き、はあ、とため息