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「学校が動物として生まれてきた人間を社会化させる装置だなんて言わせないわ」と蛸の刺身を辛子マヨネーズに付けながらお前は言った、

十月二五日

「で、そういう派手な服を着て歩くでしょ。これが恥かしくてしょうがなかった時期があって、それにだんだん馴れてきて、平気になって、次に得意気になるっていう、こういうプロセスを踏むもんじゃないんですよね」
「・・・・・・・・・・・・」
「恥かしくて汗かいてる次の瞬間、急に大得意になるっていう、そういうもんなんですよ」
「はあ・・・・・・」
「だから、事件がひとつあれば、人間ってかなりの幅でもスイと跨いじゃうね」

村松友視『夢の始末書』(角川書店)

午後一時十四分。豆、紅茶。ラスボス感ゼロのラスボスとその子分に輪姦される夢を見る。だるさ100%。花粉症なのか風邪なのか判別が付かない。けっきょくどっちも同じようなもんだ。ずっと寝てたい。これ書いたらそば食ってコンタック飲んで横になるわ。図書館行ったって鼻水出まくりで顔ぐちゃぐちゃになるだけだから。せっかくお日様が出てるから二時間でも三時間でも歩きたいんだけどね。セナ様に看病されたい。じっさいその姿を見ているだけで楽になるから看病されているようなものなんだけど。高校生のころ風邪かなんかで寝ているあいだ好きな男子と手をつないでいる空想ばかりしていたことをいま思い出した。いやもう、ほんとうにだるい。酒なんていらない。メスカリンが欲しい。首都圏で強盗事件が相次いで発生しているらしい。「闇バイト」や「匿名・流動型犯罪グループ」がどういうものなのかまだ詳しくは分からない。これから研究する。しかし「他人の財産」を無理やり奪うなんて野蛮といえば野蛮だな。人生いろいろ動機もいろいろだろうけどやっぱそれがいちばん手っ取り早かったのかな。いま金持ちは特に不安だろうね。これらの事件は「世相を反映している」のか。せんじつ逮捕された若いころのさだまさし風の男を見ながら、「あれが自分であってもおかしくない」と思った人はたぶんけっこういる。「個人情報を渡していたので仕返しを考えると引き返せなかった」とか「ホワイト案件とあったのに気が付いたらヤバいことをやらされていた」とかいうケースが多い。「個人情報」なら普通の企業とか自治体も持ってるじゃないか。それも細かいやつを大量に。あくまで素人料簡だけど、それらの情報がなんらかのかたちで漏洩すれば、誰であれ、「闇バイト」なんかに応募しなくても、脅される可能性はあるんじゃないの。「お前やお前の家族のことはみんな知っているぞ、もっとやばい犯罪集団に流されたくなければ金払え」みたいに。ああ嫌だ。貧すれば鈍するだわ。「お金が欲しいなら持ってる人からもらえばいいじゃない」なんてマリー・アントワネットみたいなことを俺が言えるのは、俺がぐうぜん相対的に恵まれているからであって、世の中には「お金に困っている人」が想像以上に多いんだろうな。お金がないと困るのは分かるけどそれを労働で稼ぐという発想は俺にはないな。そこにものすごい飛躍を見てしまう。俺はいままであまりにも他人に興味がなさすぎた。他人の抱える問題なんてどうでもいい。たぶんこれからも持てないと思う。いちおう持っているふりはし続けようと思うけど。俺はセナ菩薩じゃないんだ。まだ修行中の身なんだ。「社会問題」なんて哲学問題に比べればはるかに取るに足らないことだ。「社会」というのはつねに「しょうもない地獄」だから。「私は社会内存在だ」と自覚することは昔から苦痛でしかなかった。「唯我論」の芽を含まない思考などありえない。「非社会」性の芽を含まない思考などありえない。ああ、まじだるい。もうやめる。喘息も出そう。陰毛沢東と愉快な仲間由紀恵。ぺんたごん・まる焼け。かすとろ暗殺計画。俺の股間を舐めてくれ。キング・オブ・ナンセンス。画期的な色に染められた、百合子様の上腕二頭筋。

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