外部環境が人生に大きく影響するからこそ大切にしたい職場づくり|院長Q&A
「2022年11月の記事を復刻掲載」
こちらの記事は、2022年11月に公開されたものです。
内容を一部改変してお届けします。
院長から寄せられた質問にお答えする「院長Q&A」。
今回は「職場ってそんなに良くしなければならないの?」というご質問をいただきました。
簡潔にお答えすると、「良くした方がいい!」が私たちの答えです。
一般的に良い職場とは、スタッフ同士が互いに高め合える職場や、人間関係が良好で離職が少ない職場とされています。
人は周りの環境の影響を大きく受けます。1日のうち一定時間を過ごす職場もその一つです。良い職場づくりは、スタッフにとって診療所外のコミュニティや未来にも良い影響を与える可能性があります。
今回は、なぜ職場環境を良くすることが重要なのか、大きく2つの理由を取り上げてお話したいと思います。
経営者が職場に与える影響は大きい
1つ目の理由は、経営者が職場に与える影響が非常に大きいという点です。
「いいね、できるよ、やってみよう」というポジティブな考えを持っている職場は、院長もこうした雰囲気を肯定していて、こうしたポジティブな言動の積み重ねによって、よい職場ができると考えています。
一方で、「うちのスタッフは愚痴を言ったり、サボったりしている」と言われている院長は、それをよしとしているのだと思います。
何か注意すべきことがあったとしても
「ここで注意をして文句を言われたり、雰囲気が悪くなったりしたらどうしよう」
「人間関係でトラブルになりたくない」
「辞められたら困る」
などと考え、結局注意をしないという決断をしているのは経営者です。
経営者がよくも悪くも職場の雰囲気を作っているのです。
人は外部環境の影響を大きく受ける
2つ目の理由は、人は外部環境の影響を大きく受けて、モラルや思考、言動が形成されるという点です。
職場の中には、常勤やパートなど様々な働き方のスタッフがいると思いますが、常勤のスタッフは、1日の多くの時間を職場で過ごし、パートのスタッフも、一定時間、職場にいます。職場も人が影響を受ける環境の一つなのです。
例えば、いつも全員が関西弁を話す職場に入ったとすると、関西弁を話さない人も、徐々に関西弁を話すようになるくらい外部環境の影響を受けるのです。
院長が、「いいね、できるよ」という言葉を職場で言っていると、スタッフのみなさんも「いいね、できる」という言葉を良く言うようになり、逆に、文句や不満などネガティブな発言が多い職場を放置してしまえば、もともと素直な人たちも、愚痴やネガティブなことを言うようになってしまうのです。
職場は職場外のコミュニティや未来にも影響
人は職場などの外部影響を大きく受けるというお話しをしてきましたが、その影響を受けているスタッフは、家庭では母親かもしれません。
職場でポジティブな影響を受けてきた母親であれば、ポジティブな家庭を作るかもしれません。子どもに対してもポジティブな発言をし、その結果、ポジティブな性格の子どもに成長するかもしれません。
逆に愚痴が多い職場だと、家庭でも不平不満がたまり、それを見たパートナーや子どもにも影響が連鎖するかもしれません。職場の影響は、職場を離れた後も出てくる可能性があるのです。
そして、その子どももいつの日か、家庭を持って、子育てをするかもしれません。自分の親にしてもらったことを、自分の子どもにも同じようにしていくことも考えられます。
このように長い期間で考えてみると、いまの職場での影響が長きにわたって連鎖していく可能性もあると考えています。
若いスタッフが社会人として成長するにあたって、職場の影響がベースになります。ポジティブに育てるとポジティブな社会人になり、ネガティブな育て方をすればネガティブな社会人となって、未来が変わってくると思います。
まとめ
今回は、「職場を良くした方がいいのか」というご質問にお答えしてきました。
職場での影響を少なからずスタッフは受けます。そのスタッフは、職場を出たら他にも所属するコミュニティがあって、そこでも影響を与える可能性があります。さらに、もっと遠い未来にも影響を与えている可能性があるということです。
院長先生方は、患者さんの未来をよくするために治療をされていると思います。3カ月後、1年後、3年後、5年後、10年後、1世代後、2世代後と長い目で見ていただき、よい職場をつくることで、治療と同じように、スタッフの未来を明るくすることができるかもしれません。
ご参考にしていただければ幸いです。