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私は開業したくないのに周囲に押されて開業します。こんな時どうしたら幸せになれるのでしょうか?|開業Q&A

「2022年7月の記事を復刻掲載」
こちらの記事は、2022年7月に公開されたものです。
内容を一部改変してお届けします。


先生方から寄せられた開業に関する質問に「今の時代ならどうするか?」という視点でお答えする連載「開業Q&A」。

弊社は開業後のコンサルティング案件が多く、開業準備の際に想定していたことが、実際にどうなったのかというノウハウがあります。
この連載では、開業準備でやっておいて良かったと感じていることなどをお伝えできればと思います。

今回は「私は開業したくないのですが・・・」というご質問をいただきました。

実際に、開業したくないのに開業された先生方もいらっしゃいます。
そんな先生方の中で、自分なりの人生を見つけて、上手くやっていらっしゃる先生に出会ってきました。

開業したくないのに開業した先生で「いまそれなりに楽しい」と言われる先生のご経験とご意見をご紹介します。
ご参考にしていただければと思います。


開業したくないのに開業するパターンとは

自分は開業したくないのに開業している先生には、いくつかのパターンがあります。
例えば、親の跡を継がないといけなくなった、事業承継で自分しかいなかった、経営者の兄弟に「土地や建物を準備しておいた」と開業を促され、話が勝手に進んでしまった、開業を望むパートナーと一緒に開業する流れになったケースなど様々です。

こうした状況下で開業した先生方に共通しているのは、「開業したくなかったのに、とばっちりだ」と最初は愚痴を言っていたということですが、ある時から急に変わったということです。

なぜ変わったかと言うと、「自分の不幸を他人にも伝染させてはいけない。経営者の自分の気持ちが周りに影響を与える」と感じたからだとおっしゃっていました。自分がネガティブだと働くスタッフもネガティブになり、幸せにならないと気づいたと言います。

幸せな開業医の道へ 注力したこととは?

最初は開業したくなかったのに、いまは幸せだと振り返っている先生は、何を考えてこられたのでしょう。

①不幸を減らす努力
まずは、「せっかく開業するなら患者さんやスタッフが不幸にならないようにしよう、幸せになるような環境を整えよう」と考えたと言います。
「とばっちりだ」と感じていても、それを他人にまで押し付けるのではなく、多くの人を不幸ではなく幸せにしようという発想です。
そして、自分自身が不幸だと思い続けていると、どんどん不幸になってきて、家族関係にも影響するとおっしゃっていました。
状況を受け入れ、「どうしたら幸せになれるか」と、思考を切り替えてきたということです。

②早く軌道にのせる
思考を変えて、特に力を入れてきたのは、1日でも早く軌道にのせるということだそうです。
事業承継と親族が開業の話を進めた、このどちらにも当てはまるのが、「開業した方が裕福になれる」という考え方です。
つまり経営状況が良ければ、誰も文句を言わないということです。

一方で、経営状況が悪いと、外野から様々なことを言われてしまうだけでなく、スタッフ間のトラブルも多くなってきて、さらに悪い状況に陥ります。こうしたことからも、先生方は、経営を早く軌道に乗せることに、かなり注力されていたそうです。
なお、ここで言う「軌道に乗せる」というのは患者数とスタッフのトラブルを無くすという2つの観点を指しています。

③自分の時間を持つ
勤務医のときと比べると、開業医は収入が多くなり、当直がないので、自由なお金や時間が増えます。
しっかりとした経営ができていれば、長期の連休をとるなど融通がきくようにもなります。
自由な時間やお金が手に入ったことで、先生方は自分の時間を大切にすることを考えたそうです。

例えば、自分の部屋やマンションを借りたり、自分の趣味に没頭したり。
自分を幸せにすることに注力されたそうです。
経営が軌道にのれば、お金と時間があるので、自分の好きなことができて、よかったとおっしゃっています。

話し合いで解決できず、開業することになったら、腹をくくって、3年から5年以内に経営を軌道にのせる、患者数とスタッフのトラブルを無くして、患者さんもスタッフも幸せにしていくことに力を入れていくことで、その後は、幸せだと感じることもあるようです。

今回は、実際に、最初は気乗りしなかったものの開業して幸せを感じている先生方のお話しをご紹介しました。
悩まれることもあると思いますが、「開業医も悪くない」というメッセージが伝わればと思います。

ご参考にしてください。

ご質問などは公式LINEから

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