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開業資金を半額に!増えてきたローコスト経営とは何か?常識より目的に合わせた規模や戦略を選択するわけとは?|開業Q&A

「2022年8月の記事を復刻掲載」
こちらの記事は、2022年8月に公開されたものです。
内容を一部改変してお届けします。


先生方から寄せられた開業に関する質問に「今の時代ならどうするか?」という視点でお答えする連載「開業Q&A」。

今回は「ローコスト開業について知っていることを教えてください」というご質問をいただきました。

弊社は愛知県名古屋市にあり、ここ数年、東海地区の郊外型のケースで、ローコスト開業が増えてきましたので、実例をもとにお伝えできればと思います。


土地と建物に着目 増加傾向のローコスト開業

開業にかかる資金を減らしていくローコスト開業。
これからお話しさせていただくのは、分院展開ではなく新規開院の場合のお話しです。

お金のことを考えるときに重要なセオリーとして「大きい金額のものから見る」というものがあります。
開業資金の中で大きい金額を占めるのは「土地と建物」です。

東海地区は、全国的にみても融資額が高いなど非常に条件がいい地域で、車社会のため大規模な開業が多い地域でもあります。
これまでの郊外での開業は、土地を買い、新築の建物を建てていたケースが最も多かったです。

そんな東海地区でも、ここ数年でローコスト開業が増えてきています。
土地は買わずに借地や親族の土地を選んだり、建物は新築ではなくリフォームにしたりという考えを持つ先生が少しずつ増えています。

もともと診療所だった場所だけでなく、カフェやコンビニエンスストアの跡地など、他業種で使用されていた場所をリフォームしている方もいます。

早く返済を終えて、自分の人生を豊かに楽しく過ごすということを大切にされている先生や、2軒目、3軒目のことを考えてローコスト開業を考えている先生もいらっしゃいます。

引退を考えている先生から第三者承継

高年齢になり引退を考えている先生の中で、承継先のない先生の診療所を第三者承継として譲り受けるということが最も良いローコスト開業の形なのではないかと考えています。

なぜなら、その診療所のすぐ近くには、診療所が無いことが多いからです。その先生が閉院してしまうと、その地域の医療提供を続けられず、空白地域になってしまうことも考えられます。

年配の先生方がやっていた場所で開院する、つまり、引退する先生と入れ替わる形で開業するということは、地域医療、医療経済においても良いのではないかと思います。

しかし、これがM&A、事業譲渡となると話が複雑になり、M&Aを仲介する企業にお金を払うことにもなるため、第三者承継の話があったとしても、M&Aの形にしないことがよいと思っています。

本当に医療用が必要か?

それ以外にも、様々な購入費を抑えたいということから「中古品はどうですか?」と聞かれることがあります。

医療機器に関しては中古品をオススメしていません。
医療を提供する上でとても大切なものですし、保証がないと結果的に高くついてしまうケースもあるので、医療機器は新品が良いかと思います。

一方で、カウンターやキャビネット、イスやテーブルなど医療用のものが必ずしも必要ない科目の先生は、一般のオフィス家具でもよいのではないでしょうか。
医療用は一般用に比べて高いので、コストを抑えることができます。

今回はローコスト開業についてお話ししてきました。
ローコスト開業は、経営者として、れっきとした戦略です。

開業資金を抑えられた分をどうするのかという目的があることも大切です。先生の方針でローコスト開業が叶えられると思いますので、ぜひ参考にしてください。

ご質問などは公式LINEから

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